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「定年退職後」にやってくるお金の危機"3つの波" めでたいはずの「長寿」をリスクにしないために

東洋経済オンライン / 2024年5月26日 7時50分

経済的な余裕は寿命の長さにも関連しているという(写真:Luce/PIXTA)

1級FP技能士として、お金の面から老後の医療や生活をサポートする黒田尚子さんは、「終活」について『人生の幕引きの「準備」ではなく、人生をもっと豊かにするためにやるもの』だといいます。

そんな「終活」を悔いなく迎えるために、事前に知っておきたい「老後資金に対する心構え」を、黒田さんの著書『終活1年目の教科書 後悔のない人生を送るための新しい終活法』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

シニアのお金事情は「この先10年」を考えること

FPへのシニア層のご相談と言えば、老後資金に関するものが圧倒的です。

60代後半から70代になると、多くの人が年金生活に入ります。まだ働いていて収入があっても、現役時代に比べると確実に少ない。

定年退職時に受け取った退職金は、まだ残っているけれども、使い道が決まっていたり、いつまで長生きするかを考えたりすると、怖くて取り崩せない。

NISAって最近よく聞くけど、投資は、興味があっても、「損をするかも」と思うと、手を出せない。

そんな、「ないない」スパイラルに陥って、「こんな感じなんです。私の老後は、大丈夫でしょうか?」とご相談にいらっしゃるのです。

メインの収入源が、企業年金も含めた公的年金だけというのは、これ以上、手持ちのお金が増える見込みがないということです。

つまり退職後は、ある程度まとまった資産を持っているはずなのに、気持ち的に「プチ貧乏」に陥り、過剰に家計を締めつけてしまう人がいます。そうならず、お金にストレスフリーな人生後半を送るために、どう考えるのが正解なのでしょう。

私がおすすめするのは、年金生活者世帯の資産を、次の3つに分けてこの先10年を考える「老後資金三分法」です。

その中身はこんな感じ。

●「残す」お金

●「備える」お金

●「使う」お金

老後資金三分法は、自分の手持ちのお金を3枚の封筒に分けると考えるとイメージしやすいかもしれません。そして、この「老後資金三分法」で最も肝心なのは、分ける順番です。

「老後資金三分法」は分ける順番が肝心

最初に、手持ちの資産から差し引くのは「残す」お金です。言い換えると、自分が死んでしまった後に残しておきたいお金です。これさえ確保しておけば、あとは全部使ってしまってもいいのです。

おひとりさまなど、誰にも残す必要がなければ、最低限の葬式費用や整理費用だけ確保しておけばいいわけですしね。あるいは、ほかの2つのお金が予想以上にかさんだ時の「保険」として残しておくのもアリです。

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