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5浪で悟った「身の程」早大卒の彼が捨てた拘り 苦学の道を余儀なくされ、新聞配達を続ける

東洋経済オンライン / 2024年5月26日 7時20分

こうして彼は3浪目もまったく同じ生活を続けます。多少成績が上がり、偏差値55に到達はしたものの、前年と同様に受験した早稲田・上智・立教・学習院の文学部は全滅。

ただ、追加で受けた偏差値50未満の滑り止めの大学には、ついに合格することができました。しかし、彼はこの大学の入学を辞退して4浪を決意しました。

「初めて大学に受かったのでとても悩んだのですが、今まで行きたいと思える大学だけ受けて滑り止めを避けてきたのに、ここで妥協して大学に進んだら一生後悔するだろうと思ったんです」

名物講師にも顔を覚えられた

4浪目も、意地で代ゼミの早慶コースに通い、吉野敬介先生や富田一彦先生に顔を覚えられたというホリ・ホーリーさん。

「ずっと最前列に座っていましたし、先生方は『今年もいるのか(笑)』という反応でした。もう呆れられていましたね。大学に行って当たり前だと小さいときから言われ続けたので、さすがにそろそろ行かなきゃかっこ悪いとは思っていました。

でも、効率悪いやり方をしていても、勉強はずっと続けていたので、ようやく成績が伸びてきたんです。この年は偏差値60に届くくらいになって、模試でたまに明治・中央・法政あたりはD判定が出るようになりました」

「もしかしたらいけるかもしれない」と思ったこの年の入試。しかし、それでも現実は厳しいもので、早稲田・上智・立教・青学・学習院の文学部を5つ受けて全落ちしたホリ・ホーリーさん。

ついに現役生が大学を卒業し、社会人に突入する年齢になる5浪目に突入します。しかし、この歳になって、ようやく彼の目には希望が灯ってきたそうです。

「いよいよ今までやってきたことが形になってきたんです。模試の偏差値は60を超えて、早稲田でも夜間学部だった第2文学部や社会科学部でD判定がポツポツ取れていました。C判定以上は取れなかったものの、もうこの年で何とかしなきゃと思っていました」

この年は初めて文学部以外も受験します。早稲田は第1文学部、第2文学部、教育学部、社会科学部。立教・上智・学習院の文学部と、明治の文学部の1部と2部の5大学・計9学部を受験しました。

学費を稼ぎながらの5浪生活を終える

「5年間、受験を続けてきて、明治大学の文学部(2部)だけは手応えがありました。ほかはダメだったのですが、そこだけは受かっていて、やっと形にすることができたと思えましたね。そのあとに、早稲田大学の第2文学部の合格発表を迎えて、まあ無理だろうと諦めていたのですが、電話で『おめでとうございます、合格です』という声を聞いて呆然としました」

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