50代同士の再婚「子どもたち」のリアルな反応 令和の日本は「多婚時代」に突入している
東洋経済オンライン / 2024年5月26日 11時40分
結婚相談所の経営者として婚活現場の第一線に立つ筆者が、急激に変わっている日本の婚活事情について解説する本連載。今回は、中高生の子どもを育てるシングルマザーとシングルファザーの出会いを通して、これからの時代の新しい婚活と結婚スタイルについて解説します。
子どもが巣立ったときのことを考えて…
40代後半のシングルマザー、美香さん(仮名)は、高校生の息子と中学生の娘を育てながら婚活を始めました。年収は1000万円以上あるので、婚活を始めた理由は、「経済的に誰かを頼って生きたい」ではなく、将来子どもたちが巣立ったときに「誰かと一緒に生きていきたい」と思ったから。
「バツイチ、しかも子連れは婚活に不利」という認識が当初からあり、お見合いではどんな男性と会ってもいつも謙虚。同じアラフィフでも、結婚経験のない女性は比較的自己評価が高く、男性に対して上から目線のことが多いのですが、そういう女性たちと比べると、本人が思うよりも男性からの好感度は高いほうでした。
何人かお見合いした男性の1人が、シングルファザーの純也さん(仮名)でした。やはり、アラフィフで高校生の息子がいます。ひとり親家庭のうち、父子家庭の割合は15%にも満たず、その上、婚活中のシングルファザーはかなり珍しい存在です。結婚相談所にもようやくパラパラと見られるようになったという程度。
お見合いの日、純也さんは待ち合わせ場所に走ってやってきたそうです。週末だったので家事がたまっていて余裕がなかったのかもしれません。約束の時刻の5分前でしたが、美香さんのほうが早く着いて待っていました。「すみません。お待たせしました」と、純也さんが汗を拭こうと出したハンカチを見て、美香さんは驚きました。
純也さんのハンカチはきれいにアイロンがけされ、四角に折った端と端がピシッと揃っていたのだそうです。美香さんはそこに好感を持ったと言います。
婚活女性の中には、こうした場合に「私より後から来るなんてどういうこと? 男性が先に来るべきでしょ」と怒ってしまう人も少なくありません。
「ハンカチ」はアピールポイントだった
ところが、美香さんは怒るどころか好感を持ったのです。細かいところに気がつくし、その人のいいところを見てあげようとする。それは美香さんのもともとの温厚な性格から来るものかもしれないし、子育ての経験が影響しているのかもしれません。あとで純也さんに聞いたら、「実は、ハンカチはアピールポイントだったんです」と明かしていました。
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