「カスハラ」法整備でもそう簡単に解決しない事情 「お客様は神様」で生きてきた中高年の壁も
東洋経済オンライン / 2024年5月26日 12時30分
もし行政や企業に対策を任せるだけにすると、カスハラは収まらず、逆にますます社会問題化してしまうリスクがゼロとは言えません。すると、「すべての状況でやり取りを録音・録画される」ような監視社会になり、ネット上で拡散されることを恐れて窮屈な日常を強いられてしまう可能性もあるでしょう。
行政や企業の主導による対策の共有や専門家のサポートが受けられる環境作りが求められるのはもちろんですが、社会を構成する個人がカスハラを自他ともに予防するようなムードを作っていくことが大切ではないでしょうか。
そして最後にもう1つ、企業側が大前提として忘れないでほしいのは、「ブランドや営業利益を優先して、社員を守ることを後回しにしない」こと。「商品と売り上げあってこその企業」であると同時に「社員あってこその企業」でもあり、経営側が「安くない給料を払っているからこれくらいのカスハラなら対応してほしい」という意識を持たないようにしてほしいところです。
相談者さんの中に「社内でパワハラ・セクハラ、お客さんからカスハラのダブルハラスメントに悩まされている」という女性がいました。しかもその女性は「先輩たちのように自分で何とか処理しなければいけない」と耐え続け、疲弊し切った様子で相談しに来たのです。ちなみにその職場には相談窓口のような部署がなく、同僚の手助けも受けられませんでした。
このような人をいかに減らしていけるのか。今こそ行政、企業、顧客となる人々、それぞれの意識が問われているように見えるのです。
木村 隆志:コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ANAとJALが共同で「カスタマーハラスメントに対する方針」を発表
マイナビニュース / 2024年7月1日 12時34分
-
「土下座しろ!」「謝罪に来い!」ANAとJAL、カスハラ行為にNOを表明
ASCII.jp / 2024年6月28日 21時20分
-
ANAとJAL「カスハラ方針」共同で策定 23項目の“行為例”も紹介
ORICON NEWS / 2024年6月28日 14時2分
-
カスハラと企業の対策に関する調査結果が発表 – 離職率にも影響
マイナビニュース / 2024年6月17日 6時17分
-
「世界一のおもてなし」がモンスター客を生んだ…「カスハラ大国」を脱するために日本企業がやるべきこと
プレジデントオンライン / 2024年6月12日 9時15分
ランキング
-
1今度はなんのコラボ? マクドナルドのX、次回の「ハッピーセット」のヒント画像公開...期待高まる
J-CASTニュース / 2024年7月4日 16時49分
-
2妻に先立たれた65歳、年金約17万円・おひとり様シニアを襲う<老後破産へのカウントダウン>
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月3日 9時0分
-
3宝くじで「10億円」当選! でも実際に“手では持てない”って本当?「1000万円」なら片手で持てる? 元銀行員の筆者の経験もあわせ解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月4日 4時40分
-
4「衝撃でした」従業員も驚き「川崎重工業」の裏金問題 海自隊員らに飲食費など提供か 共同作業で懇親会も 規模は十数億円の可能性
MBSニュース / 2024年7月4日 11時45分
-
5子供いない夫婦「相続で失敗しない」1つの方法 家庭裁判所で「調停」が必要になるケースもある
東洋経済オンライン / 2024年7月4日 8時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください