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イライラを鎮めてメンタルを安定させる「食」養生 漢方では五臓六腑の「肝」を整えることを目指す

東洋経済オンライン / 2024年5月27日 13時0分

気持ちの浮き沈みが大きいこの季節。漢方の教えによる食養生で乗り切りましょう(写真:Nana/PIXTA)

日差しが少しずつ強くなり、夏を感じる日もある今日この頃。

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外でアクティブに動きたくなる一方で、何となく気持ちがスッキリしない、前向きになれない……という人もいるのではないでしょうか。そんなときに役立つ、漢方の知恵をお伝えしたいと思います。

健康には「心の安定」が大切

仏教の教えには、心と体が深い関係を持つことを表す「心身一如(しんしんいちにょ)」という言葉があります。漢方にも同様のことを意味する「形神合一(けいしんごういつ)」という言葉があり、古くから精神と体は1つであると考えています。

古代の医学書である『黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)』の「上古天真論(じょうこてんしんろん)篇」には、健康を維持するために必要な考え方が記載されています。

その1つが、”精神を内(うち)に守る”という教えです。

「健康でいるためには、精神の状態を安定させることが大切」という意味で、メンタルヘルスの重要性は、なんと3000年以上も前からいわれていたことなのですね。

心と体は互いに影響を与え合っていることを表す日常的な例として、以下のようなものが挙げられます。どれも心当たりがあるのではないでしょうか。

□ 怒ると顔が紅潮する
□ 緊張すると胃が痛くなる
□ 不安になると動悸がする
□ 恥ずかしいと顔が赤くなる
□ 焦ると口が渇く

いずれも一時的な反応ですが、刺激が過度だったり長期間にわたって乱れが続いたりするような場合、病気を引き起こす原因になるので、気を付けなければなりません。

西洋医学と漢方の違うところ

西洋医学でも心身症や不安症、うつなど心の病が原因で、体にさまざまな不調が表れることがあります。このようなとき、心が体に起こす反応を「自律神経を介した反応」として説明します。

少し専門的になりますが、脳には扁桃体(へんとうたい)と呼ばれる感情をつかさどる場所があります。

扁桃体は、視覚、聴覚、味覚など五感から得た情報が、快か不快か、自身の命に関わるものかどうかを一瞬で判断します。その結果に伴って、怒りや喜び、恐怖や不安、悲しみなどの感情が発生します。

そして、この扁桃体の判断の結果は視床下部へ伝えられ、自律神経反応を引き起こします。

漢方では、こうした西洋医学の考え方とは少し異なった捉え方をします。漢方と西洋医学での最も大きな違いは、漢方では感情は五行学説の1つ、臓腑(ぞうふ)と関連すると考えるところです。

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