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銚子電鉄の「だじゃれ」はどのように生まれるのか ユニーク商品や映画「電車を止めるな!」秘話も

東洋経済オンライン / 2024年5月28日 6時30分

銚子電鉄の22000形車両(筆者撮影)

銚子電鉄(銚子電気鉄道)は、千葉県銚子市内の銚子駅―外川駅を結ぶ全長6.4kmのローカル私鉄路線だ。

【写真】銚子電鉄の22000形電車と竹本勝紀社長

ネーミングのすごさに感服

現在社長を務める竹本勝紀氏は2012年に就任以来、ユニークなイベントやオリジナル商品の開発を推進し、そのたびにニュースにも取り上げられ、銚子電鉄の知名度はどんどん高まっている。

棒状のスナック菓子「まずい棒」、「再建最中(モナカ菓子)」、「電車にのってほしいも(干し芋)」などは、その「ネーミング力」のすごさに感服してしまう。すでにある他社製品をもじったものもあるが、銚子電鉄の経営状態などを、ダジャレなどのジョークを用いて自虐ネタにしている。例えば「まずい棒」は、某有名スナック菓子と、銚子電鉄の経営が苦しい(まずい)状態をかけたものである。「再建最中」は、まさに経営を立て直している状態のことをかけたものである。2020年には銚子電鉄が製作した映画作品「電車を止めるな!」が公開された。当時話題になった映画作品「カメラを止めるな!」からきているものだ。

銚子電鉄は仲ノ町駅に隣接する醤油工場から製品を全国配送するために、同社を窓口に銚子駅から国鉄に引き渡す貨車の運用も行っていた。現在は旅客運行のみだが、1998年当時、銚子電鉄の親会社である工務店が破産したが、当該工務店の社長が銚子電鉄の社長を兼務していた。その破産から6年後、個人的に資金繰りに窮していたと思われる社長が横領事件を起こしてしまった。この事件をきっかけに、銚子電鉄の経営はさらに悪化。事業の運転資金の不足で、車両の検査や設備費用が捻出できなくなっていた。

銚子電鉄は公式サイトに、「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」と称して、銚子電鉄のオリジナル商品として製造販売する「ぬれ煎餅」の購入支援を、全国に呼びかけた。「銚子電鉄」がメディアにも多く取り上げられるようになったのはその頃だった。全国からたくさんの支援が集まり、運転資金の調達に成功した。車両の修繕や設備の更新もなんとか行うことができた。

銚子電鉄のユニークな商品の中にはこのネーミングで大丈夫なのだろうか?と心配になるものもある。どのような経緯で商品の開発やイベントなどの内容を決めてきたのだろうか。直接、銚子電鉄に聞いてみることにした。

質問に答えてくれたのは竹本勝紀社長である。「企画については日頃から社員と立ち話をよくするようにしている。雑談や立ち話から面白い企画が生まれることもある。会議の中から有用な意見が生まれることももちろんあるが、どちらかといえば、雑談から生まれることのほうが多い」。

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