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「新NISAに向いていない人」に共通する残念な特徴 「庶民にとって有利な制度」を活用しそびれる

東洋経済オンライン / 2024年5月29日 17時0分

また、「永久に非課税という言葉も信じていない」というのも間違ってはいません。たとえば今後、NISA制度に否定的な政党が国民に支持され、政権を取った場合、廃止になる可能性はなくはありません。

そして、「裏があるんじゃないか」という疑問については、「あってもいいじゃないか」というのが私の答えです。

そもそも株式投資というのは、みんなで手をつないでゴールする、最近の小学校の徒競走ではありません。勝つ人もいれば、負ける人もいる。だます人も、だまされる人もいる。非常にシビアな世界です。

もし日銀が高値まで吊り上げて売り抜けようとしているなら、自分が先んじて売り抜ければいいだけの話です。「そうすれば儲かるじゃん」と思ったあなたは、株式投資の適性があります。

そして、もし売り抜けに失敗したなら、それは100%自己責任です。このことが腑に落ちていないうちは、株式投資をやるべきではありません。

ただし、株式投資はゼロサムゲームではありません。日経平均株価が4万円、5万円になれば、ほとんど全員が儲かります。国も儲かるし、あなたも儲かります。あなたの大切な家族も、友人も、そして私だって儲かります。人生を変えるような大金を手にする人もいるでしょう。みんながハッピーになれるわけです。

国が今やろうとしているのは、こういうことです。もし、新NISAが陰謀だと思っている人が本書を読んでいたら、「今からぜひ投資の勉強をしてください」と私は強く言いたいです。

似たような陰謀論として、「新NISAは富裕層優遇だ」という主張もあります。

庶民は生活に苦しんでいる。投資をするお金なんてない。だから新NISAを活用できるのは、お金を持っている富裕層だけだ、という内容です。

これも大きな間違いです。むしろ、富裕層には不利な制度になるかもしれません。というのも、近い将来、金融所得課税の引き上げが行われる可能性が高いからです。

新NISAは庶民にとって有利な制度

岸田文雄首相は就任時、「新しい資本主義」というアドバルーンを打ち上げました。その中には、金融所得課税の引き上げが明記されていました。しかし、各方面からの反対にあい、すぐに引っ込めてしまったのです。

しかし、新NISAがスタートする直前、岸田首相は「経済・市場への影響を考えながら議論を続けている」と述べました。決して、忘れたわけではなかったのです。

実際、新NISAは、金融所得課税の引き上げとトレードオフなのだと思います。1800万円までは非課税にするので、その代わり上限を超えたぶんは金融所得課税を上げるぞ、ということなのでしょう。

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