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マクラーレン「デザイン大変革期」を迎える意味 クンタッチ/F40のようなアイコンを作れるか

東洋経済オンライン / 2024年5月29日 12時0分

スポーツカーを作るには、かつてのようにシャシーやエンジンやサスペンションなどの「エンジニアリング」が優先して、最終的に「そこに魅力的に見えるボディをかぶせる」というやり方ではなくなっているのだ。

私の直近の記憶では、フェラーリの開発陣も、新型車「12チリンドリ」のメディア発表会で、リアウインドウ左右に設置されためずらしい分割式の電動スポイラーを例にとり、同様のことを言っていた。

「デザインを壊さず、最大限の機能を追求する。そのためにはエンジニアとデザイナーがチームになることが重要なのです」とは、エンジニアリングを統括するフェラーリのジャンマリア・フルゼンツィ氏の言葉だ。

コンコルドのように

これまでマクラーレン車といえば、波紋や鳥の羽など「自然が作りあげた形にこそ、もっともシンプルゆえに力がある」というようなポリシーのもと、デザインされていた。

ロブ・メルビル氏がデザインヘッドを務めていた時代、それはそれでたいへん強い個性を放っていたのは事実だ。それも変わるのだろうか。

「変わるでしょうね」とシュールマン氏。「私たちは、3つのDNAを追求しています。ブランドDNA、プロダクトDNA、デザインDNAです。マクラーレンの根っこにあるのがなにかというと、レースとパフォーマンスだと結論づけています」

「ほかのプロダクトを例にとると……」と、シュールマン氏は続ける。

「(音速旅客機として開発された)コンコルドが思いつきます。あのデザインは古びません。パフォーマンスを第一に設計されていて、モダンで、いつ見ても新鮮で、それゆえすぐれたデザインなのです」

シュールマン氏は2024年5月、これからのマクラーレンを生み出す「5つのデザイン理念」を発表した。

「並外れた」を意味する「エピック」、真空成型のレースカーボディに見られるような「アスレチック」、デザインとエンジニアリングを融合させた「ファンクショナル」、レースカーのようにパフォーマンスを追求する「フォーカスド」、それに新素材の追求などによる「インテリジェント」だ。

「私たちのデザインDNAは、マクラーレンの60年にわたるモータースポーツのヘリテージをベースに、革新的かつ超軽量スーパーカーへと生きていきます」とシュールマン氏。

先の5つのキーワードを、マクラーレンのプレスリリースからもう少し詳細に記すと下記となる。

■EPIC(エピック)
エモーショナルなエクステリアデザイン/F1、Can-Am、GT からのインスパイア/マクラーレンF1ロードカーのセントラルシート(3座横並びでドライバーは中央席に座る)、ソーラスGTのジェットファイター・スタイルのスライディングキャノピー、765LTの4連フルチタン製エグゾーストシステムなど、エクストリームなデザインからのインスピレーション

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