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少女の壮絶人生演じる「河合優実」に見た芯の強さ 不適切にもで話題、新作の「あんのこと」への想い

東洋経済オンライン / 2024年5月29日 12時30分

でも、正直に言うと、最近は現実に起こっていることが大きすぎて、エンターテインメントの無力さも感じています。毎年のように発生する大規模な自然災害や、数年前には想像もつかなかった、多くの人が亡くなる戦争や虐殺が世界中で実際に起きています。

そんな現実を目の前にエンターテインメントを作っていていいのかな、という気持ちが生じるタイミングが増えているんです。でも、こういうときだからこそ、こういう仕事に携わっているからできることがあるし、その力を絶対的に信じていかないといけないと思うようにしています。

――デビューから5年です。これまでの女優業をいま振り返って思うことは?

感覚としては、目の前のことに一生懸命に取り組むという意味では、あまり変わらないんですけど、主演をいただく作品が増えたりして、自分が向き合っている仕事や作品が、世の中に届けているものに対して責任がある、ということを強く感じるようになっています。

以前はそういうことを考えなかったし、楽しいから女優をやっているだけで、それが幸せでした(笑)。いまももちろん“楽しい”は消えないし、この仕事が好きなんですけど、1つひとつの作品に自分が関わっている意識がすごく変わりました。

――順調にステップアップしてきた5年間でしたか?

そうですね。関わらせていただいた作品を振り返ると、本当に恵まれていると感じます。ステップアップできたこともそうですし、自分がちゃんと愛情と興味を持てる作品に出会えてきたことをとても幸せに思います。

――『不適切にもほどがある!』の純子役は、キャリアのひとつの転機になりましたか?

なったと思います。いままで以上にたくさんの人に知ってもらえたのは間違いないですし、どこに行っても声をかけていただけるようになったのはうれしい変化です。

すごくいい風が吹いたのはキャリアのうえでもよかったこと。『ふてほど』がきっかけで今回の映画を見てくれる人がいるかもしれない。それがまた次の作品にもつながっていくとうれしいです。

『不適切にもほどがある!』から得た学び

――『ふてほど』から得た学びや発見はありましたか?

たくさんあります。たとえば、ジャンルとしてのコメディのお芝居の形がありますが、そこから入ろうとすると感動が生まれないんです。コメディのなかで、ちゃんと筋を通して1人の人間を演じるから、その姿から笑いや感動が生まれることに気づきました。私たちはいつも宮藤官九郎さんの物語を通して見る人物に笑って、感動している。演じ手としてすごく勉強になりました。

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