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西武が売却?「赤プリ跡地の施設」失敗の本質理由 多様性を求めると、商業施設はパッとしなくなる

東洋経済オンライン / 2024年5月29日 12時10分

西武が売却?「赤プリ跡地の施設」失敗の本質理由

昨今、あらゆる商業施設が生まれ、特に都心部では次々と新しいビルが建っている。建てば建つほど起きるのは、自然淘汰。良い商業施設は流行るが、ダメだと見向きもされない。数が多いだけに、その差ははっきりする。

【画像】「広いだけの庭園」「低価格と高価格が混在した飲食店」…赤プリ跡地に2016年に誕生、「東京ガーデンテラス紀尾井町」驚きの現在を見る(12枚)

こうした商業施設の「勝ち筋」はどこにあるのか。それは、「施設に明確な世界観があるか」、そして「消費者ニーズを捉えているか」の2つである。

このように感じさせるニュースが飛び込んできたので、紹介したい。

西武が東京ガーデンテラス紀尾井町を売却?

日本の流通を支えている巨大グループ「西武」。そんな西武が、苦境に立たされているらしい。同グループは自社が持つビルである、「東京ガーデンテラス紀尾井町」の売却を検討しているというのだ。

【画像】「広いだけの庭園」「低価格と高価格が混在した飲食店」…赤プリ跡地に2016年に誕生、「東京ガーデンテラス紀尾井町」驚きの現在を見る(12枚)

このニュースはさまざまな報道機関に取り上げられたが、共同通信の「西武、赤プリ跡地の施設売却へ 池袋本社ビル含め全物件で検討」の中では、「保有型から回転型の不動産ビジネスに転換する。資金はリゾートや都心の再開発に回す」と書かれている。

東京ガーデンテラス紀尾井町、と聞いてピンと来る人がいるだろうか。「あー、あそこね」となる人は少ないんじゃないか。この記事タイトルで「赤プリ(赤坂プリンスホテル)跡地の施設」と表記されていることが、それを物語っている。つまり、記事を読む読者は、この施設をそこまで知らないと思われている。

2016年竣工。西武グループが保有する複合商業ビルで、賃貸物件が入るビルと、商業施設・ホテル・レストランが入るビルの2棟から成る。敷地内には巨大な庭園もあり、ホームページを見れば「世代も国境も越えて人が集う、四季が移ろう自然豊かな庭園」という記載。全体のコンセプトは「品と、格と、未来と」。

ちょっとおじけづいてしまうコンセプトだが、それもそのはず。ここに元々あった赤坂プリンスホテルは、名門中の名門。通称「赤プリ」。バブルを象徴するホテルだった。

東京ガーデンテラス紀尾井町の「パッとしなさ」

1983年、日本の景気が上向いていた真っ只中に新館が開業し、クリスマスには若いカップルでいっぱい。伝説によれば、その夜はカップルの営みのせいで震度3~5クラスの揺れを観測したらしい。

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