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8年で11軒閉店「ラーメン屋の墓場」で繁盛した必然 「日本一アンチが多い」店主は何を考えてきたか

東洋経済オンライン / 2024年5月29日 11時40分

パントマイマーのような感覚で、1年間は動きだけで表現してきた。これが若い層に受けて、他のラーメン店にない客層を獲得していく。

動画の製作よりも店づくりや味づくりに集中したい

6月に大きくバズったことで、1日の客数も200~300人から多い日で400人を記録する日も出てきた。動画を見た小中学生も多く集まり、最近では修学旅行生が団体で訪れることも多いという。

実はりゅう社長はYouTubeチャンネルを持っていない。YouTubeの動画を自分で編集してアップすることもない。すべて他のインフルエンサーによる撮影や取材でバズリ続けている。それはなぜか?

「飲食経営者としては動画の製作よりも店づくりや味づくりに集中すべきです。自分は凝り性で、一度始めたら動画に時間を費やしてしまいそうなので、であれば、再生数を伸ばせる人に撮りに来てもらおうと思いました。インフルエンサーに撮りに行きたいと思わせられるキャラクターと企画を磨き続ければそれは可能なんです」(りゅう社長)

今年2月の2周年の時には「値上げ」を行った。

「2周年を記念して値上げします」という動画は、「値下げ」と見せかけて「値上げ」というその話題性で、翌日には長い行列ができた。りゅう社長は「大変申し訳ありませんが値上げさせていただきます」とは言わないのである。値上げしたにもかかわらず、「動画が面白かったので来ました」とお客を集められるお店はなかなかないのではないだろうか。

なんと昨年12月には全国各地の「ドン・キホーテ」でりゅう社長コラボ商品の「ブラボーサングラス」が発売。この6月には「りゅう社長スクイーズ」の発売も決定している。やはりりゅう社長は単なるラーメン店主ではなく「キャラクター」なのである。

「今は『日本一アンチのいるラーメン店』として認知されていますが、このキャッチフレーズもいずれはなくしていくつもりです。バズにも潮目があるので、スベる前にどんどん新しいものに書き換えていくことが大事だと思っています」(りゅう社長)

オープン当時エリアで最下位だった客数も今やトップレベルに。快進撃を続けるりゅう社長に今後も期待したい。

井手隊長:ラーメンライター/ミュージシャン

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