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「東大生の就職」コンサル選ぶ"身も蓋もない"理由 今と昔で違ってきた「賢い」ということの基準

東洋経済オンライン / 2024年5月30日 16時30分

人気の職業とあって就職はかなりの狭き門のようで、おそらく群を抜いて優秀な学生が集まるのだろう。しかし、その優秀な人間というのは受験を勝ち上がってきた秀才である。彼らの優秀さとはAIが導き出す最適解を、自力でいち早く見つけ出すことに長けている人たちだ。

そうなると今後、優秀なAIが開発されたときには、この種のエリートは完全に不要となる可能性は高い。いくら今のコンサル人気が高いといっても、10年後にも職業として成立しているかどうかもわからない。

就活生であれば「コンサルは将来AIに取って代わられるかもしれない」というような情報も当然知っているだろうが、それでもなおコンサルを目指すのは、給料が高いからだ。

大手コンサルだと入社1年目から年収700万円もらえるところもあるという。大卒1年目の平均年収は公務員でも一般企業の平均でも250万円前後というから、これはかなりの高給だ。

そうしてみると、コンサルを目指す学生はその仕事内容だけでなく、自分自身の給料においても目先の利益を追求しているわけである。

最近では、プロのコンサルタントの思考法を開陳する内容の書籍が売れているという。これはつまり、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスがもっともいいやり方を、多くの人が求めているということなのだろう。「いちばん手っ取り早く儲かる方法はこれですよ」という話をみんなが知りたがっているわけだ。

しかしそのいちばん手っ取り早く儲ける方法というのが、いつまで長くできるかはわからない。簡単に真似のできるようなことならば、みんなが真似をして、すぐに儲からなくなってしまうだろう。

流行っているからといって、それを志向することは、私としてはあまりお薦めできない。

エリートとは「自分の利益」だけを考える人

文化人や評論家を名乗る人たちの多くが自分の利益のことばかりを考えるのも、当然なのかもしれない。

今の時代にエリートといわれるような人たちは、もともと受験戦争に勝ち抜いて、いい大学に入り、卒業すると官僚のトップになったり大企業に入ったりしている。そのような道を自らの意思で選択し、周囲との争いに勝ってきた人たちは、まさしく「自分の利益のため」だけを考えてきたわけだ。

ごく一部には「日本を救いたい」といったことを本気で思っている人もいるのだろうが、今の日本でそういうことを考えている人は、だいたいが落ちこぼれるかパージされたりする。そのような「自分なりの考え」は受験に必要ないからだ。

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