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「タリーズ」現地での豆生産の知られざる取り組み 世界30カ国以上と取引するスタバとの違いは?

東洋経済オンライン / 2024年5月30日 13時0分

都内のタリーズ店頭に展示された「ブルンジ ブジラ」(陳列棚の左下の商品、200グラムで税込み1380円)。緑と赤のパッケージが特徴的だ(筆者撮影)

現在の喫茶業界(カフェや喫茶店)は、「スターバックス1強」ともいえる状況。国内店舗数は1900店を超え、売上高も競合を圧倒する。

【写真を見る】ペルー接ぎ木プロジェクトの作業風景(左)、右は栽培・育成中のコーヒーの木

そのスタバの陰に隠れがちだが、根強いファンを持つのが「タリーズコーヒー」だ。店舗数は約780店、国内47都道府県すべてに店舗がある。

アメリカのシアトルでスターバックスは1971年、タリーズは1992年に創業された。日本に上陸して1号店を開業したのは1996年(スタバ)と1997年(タリーズ)の1年違い。かつては“シアトル系カフェ”と呼ばれたが、すでに国内で30年近い歴史を刻む。

コーヒーについてもそれぞれこだわりを持つが、特徴は異なる。今回はあまり知られていない「タリーズのコーヒー」に焦点を当て、現地で調達する担当者に話を聞いた。

アフリカ「ブルンジ」で生産されたコーヒー

5月中旬、東京都内のタリーズ店舗では「ブルンジ ブジラ ブルボン100%」(ブルボン種100%のシングルオリジン)という商品が限定販売されていた。東アフリカのブルンジ共和国で生産されたコーヒー豆で、同国の民族柄を使用し、国旗カラーを基調にしたパッケージが目を引く。シングルオリジンとは単一豆で、他の豆とブレンドしないという意味だ。

「ブルンジには、原種に近い希少なブルボン種が残っており、それを100%使用したコーヒーです。タリーズのコーヒーは大規模生産地や有名農園にこだわらず、味の美味しさ、ユニークで際立った特徴を持つ豆を選び、それを国内の工場で焙煎しています」

タリーズコーヒージャパンの渡邊瑛子氏(プロダクト本部ビーンズ開発グループ・チームリーダー)はこう説明する。2015年からコーヒーの調達と品質づくりに携わるスペシャリストだ。

一般にコーヒーは、生産農家がコーヒーチェリー(見た目がサクランボに似た実)を栽培・育成し、収穫されたコーヒーチェリーの実を取り出し、精選して(生豆=なままめの状態で)出荷される。この生豆を焙煎(加熱・加工)すると茶褐色のコーヒー豆になる。

スターバックスは、南米を中心に世界30カ国以上のコーヒー生産国と取引し、「コーヒーのエシカル(倫理的)な調達」という厳しい基準を設け、グローバル体制で調達する。

これに対してタリーズは、国内の担当者が定期的に産地を訪れ、生産者と一緒にコーヒー豆の品質向上に取り組む。そこで得た成果や情報を店舗スタッフと共有し、時には店舗でコーヒーを淹れる。川上から川下まで同じ人が担うのが特徴だ。

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