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「公立中高一貫校」目指すのに欠かせない2つの条件 「3年間塾漬け」でも受からない子は受からない

東洋経済オンライン / 2024年5月31日 6時50分

公立中高一貫校の「適性検査」は暗記だけでは対応できないという(写真:Fast&Slow/PIXTA)

首都圏の受験者数が9年連続で増加するなど、収まる気配のない中学受験の過熱ぶりですが、現役塾講師であり教育系インフルエンサーの東田高志(東京高校受験主義)さんは、その理由の1つとして「高校受験の情報が少なすぎる」と指摘します。親世代の時代と比べて大きく様変わりしている高校受験の現状とは、いったいどんなものなのでしょうか?

東田さんの著書『「中学受験」をするか迷ったら最初に知ってほしいこと: 4万人が支持する塾講師が伝えたい 「戦略的高校受験」のすすめ』より一部抜粋・再編集してご紹介します。

「安さ」だけではない公立中高一貫校のメリット

東京都で最初の公立中高一貫校が誕生したのは2005年のことでした。それ以降、千代田区立九段中等教育学校を含む11校が設立されました。開校当初は「未知数」とされていた公立中高一貫校も、今ではすっかり進学校としての地位が定着したようです。

【図で見る】ひと目でわかる都立中高一貫校合格に必要な要素

公立中高一貫校のメリットを整理しておきましょう。誰もが指摘するメリットは、費用の安さです。入学金や授業料を安く抑えることができるため、私立中高一貫校と比べて3分の1程度まで総額費用を抑えることができるといわれています。

東京都の場合、都立生向け長期留学制度の「次世代リーダー育成道場」に中学3年から参加できることも見逃せません。

また、私立中学受験と比べて、受験準備が短くても合格できる可能性があります。私立中学受験は、小学校3年生の2月スタートの「3カ年計画」です。

それに対して、公立中高一貫校は小学5、6年生から本格的な勉強を開始するのが普通で、私立中学受験では間に合わないとされる時期からの勉強でも、出遅れ感がありません。

重要なのは小学校時代の「余白の時間」

ある都立中高一貫校の入学者アンケートによると、多くの入学者が英語、プログラミング、スポーツ、ピアノといった塾以外の習い事と両立していたそうです。自由な時間が制限されがちな現代の私立中学受験と比べると、「牧歌的」な受験スタイルが残っています。

都立小石川中等教育学校に進学したある生徒は、小学校時代に変形菌の研究に没頭し、自宅で100種類以上の変形菌を育てる「子ども博士」として注目されました。

この生徒に象徴されるように、学習意欲は旺盛であるものの、受験勉強以外の興味や才能の開拓に時間を取りたいと考える家庭が、公立中高一貫校を選択する傾向にあります。それを示す2つの証拠があります。

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