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資産1.8億投資家が伝授「日本の優良企業100選」 「世界シェア1位」鳥取県のニッチ企業とは?

東洋経済オンライン / 2024年5月31日 7時40分

これは製造業としてはかなり高い水準。ビジネスにおいて競争力を維持していることが読み取れます。配当は増加傾向です。

株主還元方針について、「安定した配当の成長の実現を図るとともに、30%以上を目指す」としています。もちろん、利益成長が前提とはなりますが、増配を強く意識しており、株主還元にも積極的な企業と言えるでしょう。

自己資本比率は上昇傾向にあり、現在は70%以上と極めて健全な財務状況となっています。営業キャッシュ・フローはプラスで推移しており、手元キャッシュも潤沢にあり、事業基盤は盤石です。

パイロットは既存事業の強みを堅持しつつ、海外事業を拡大していく戦略を採用しています。

また、筆記具で培った技術を活かした新規事業を創出・成長させることで、非筆記具事業の売上高構成比を25%に拡大し、第2の柱とすることを目標としています。

みなさんは、企業が既存領域の強化だけでなく、新規事業を創出していくのはなぜだと考えますか?

その理由は、どんなに優れた製品やサービスであったとしても、その競争力が長期間にわたって維持されることは極めて稀で、何もしなければ衰退してしまうのが世の常だからです。

「市場へ新しい製品を投入して、その製品の競争力が失われる前に、また新たな製品を投入する」というサイクルの繰り返しで、ビジネスは継続性のあるものとなっています。

ちなみに、このような製品やサービスが市場に投入されてから撤退するまでのプロセスを体系的にまとめた理論があり、マーケティング(※顧客の課題を把握し、価値を提供する企業活動のこと)の世界では、プロダクトライフサイクル(PLC:Product Life Cycle)と呼ばれています(下図)。

一般的に、サイクルには次の4つの段階があると言われています。

①導入期:製品やサービスを市場に投入した直後の段階です。需要や売上が小さく、消費者の認知を高め、市場拡大させることが最優先課題となります。広告宣伝費もかかるため、利益はほとんど出ません。

②成長期:市場規模が成長し、売上と利益が急拡大する段階です。次第に競合他社が市場に参入して競争が激しくなります。消費者のニーズも多様化するため、差別化により自社製品のブランド力を高め、市場に浸透させることが重要となります。

③成熟期:製品やサービスが広く顧客に行き渡ることで市場の成長が鈍化し、売上が頭打ちになる段階です。その一方で、この段階では、導入期や成長期のように広告コスト等もかからないため、利益は最大化されます。

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