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愛知県小牧「航空自衛隊の唐揚げ」で狙う町おこし 「甘辛スパイシー米粉空上げ」のレシピを提供

東洋経済オンライン / 2024年5月31日 11時20分

航空自衛隊小牧基地。主に航空輸送や自衛隊内の各種教育の任務を担っている(写真:航空自衛隊小牧基地)

海上自衛隊が毎週金曜日に食べるカレー、“海自カレー”や陸上自衛隊が訓練や災害派遣などで食べる戦闘糧食、“ミリメシ”は有名だが、航空自衛隊の名物料理をご存じだろうか?

【写真で見る】航空自衛隊小牧基地の隊員食堂で出されている空自空上げ「甘辛スパイシー米粉空上げ」

月末の金曜日は「空自空上げの日」

それは鶏の唐揚げ、通称“空自空上げ”。あえて唐揚げではなく空上げと当て字にしているのは、航空自衛隊全体でより上を目指すという意味から。2018年の春に誕生し、月末の金曜日を「空自空上げの日」として、全国の基地、分屯基地の給食で一斉に振る舞われている。

空自のHPには全国の基地や分屯基地で作られている空上げがレシピとともに紹介されている。中にはサルサソースで味わうタコライス風(沖縄・那覇基地)やピリ辛のマヨネーズや鮭節でいただくザンギ(北海道・千歳基地)など、その土地ならではのメニューのほか、ご当地の食材や調味料を使ったものも。

しかし、残念なのは、航空祭など空自主催のイベント以外で民間人であるわれわれが口にする機会が少ないという点だ。海自カレーは基地周辺の飲食店で提供されているほか、レトルトも販売されているし、ミリメシもネット通販で入手できるというのに。

何とかして空自空上げを食べてみたいと思って調べてみると、筆者が暮らす愛知県で見つかった。しかも自宅から車で10分くらいの小牧市に。どうやら小牧商工会議所が町おこしとして取り組んでいるようだ。

市内の飲食店で提供されているのは、航空自衛隊小牧基地(以下、小牧基地)の「甘辛スパイシー米粉空上げ」。そのネーミングから名古屋名物の手羽先唐揚げをイメージしているのがわかる。

「もともと小牧基地さんも地域の活性化に寄与したいという思いがあったわけです。ちょうど航空自衛隊では空自空上げの知名度を高めたいという時期でもあったので、コラボでなにかできないかというお話をいただいたのがはじまりです」と話すのは、小牧商工会議所の中小企業相談所次長の三輪洋一郎さんだ。

名古屋コーチンとのコラボを模索

昨年6月、小牧基地内で甘辛スパイシー米粉空上げの試食・意見交換会が行われた。小牧商工会議所の呼びかけにより集まったのは、市内の名古屋コーチン料理専門店や食品加工会社、養鶏業者など6社。

あまり知られていないが、小牧市は名古屋コーチンと深い関わりがある。明治初期、維新によって職も身分も失った元尾張藩士の海部壮平・正秀兄弟が成鶏を飼い始めた地が東春日井郡池林村(現在の小牧市池之内)で、掛け合わせを何年も続けた末に地鶏と中国生まれの鶏、バフコーチンの掛け合わせによって名古屋コーチンが生まれた。つまり、小牧市は名古屋コーチンの発祥地なのだ。

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