悪意ゼロの「老害」と上手につきあう2つのコツ お互いに歩み寄れる「妥協点」は必ずあるはず
東洋経済オンライン / 2024年6月1日 19時0分
若い人からしてみたら、Oさんは「老害」以外のなにものでもないでしょう。おせっかいにもほどがありますからね。なかなかの老害レベルです。
でも、これだけは理解しておく必要があります。Oさんはおそらく100%善意でやっています。悪意はゼロ。若者を助けてあげようという親切心に満ちあふれているはずです。
仮に相手が若い女性だったとしても、下心はいっさいなしに、同じようにアドバイスを送っていたことでしょう。Oさんのような人は、まさにそういうタイプなのです。
今の若い人たち、とりわけデジタルネイティブといわれる世代は、あらゆる情報を自分で調べ、そのなかから有益なものを選び抜くスキルを持っています。キャリア豊富な年長者よりも詳しかったり、最新最適の情報を持っていたり、というケースも珍しくありません。
これに対しOさんの世代は、仕事も趣味も遊びも、上の世代から教えてもらい、下の世代に伝えていくのがあたりまえという価値観のなか、人生を送ってきました。それゆえに、同じ組織やコミュニティにいる若者に対しては、「自分のほうがよく知っているから、教えてあげる義務がある」と自然に思っています。
この感覚の違いが大きな齟齬を生み、両者の間に「壁」をつくってしまうのです。そしてこの構図は、とても面倒な状況をまねくことになります。
たとえ一方的であっても、年長者から教えられた若者は、その行為をないがしろにできないため、その場しのぎの社交辞令で頷いたり、感謝の念を示したりします。すると教えた側は、これを成功体験ととらえて調子に乗り、勢いを増してまた同じことをくり返すのです。
その結果、高齢者は善意が実ったと(勘違いして)満足する一方で、若者は彼らを「老害」と呼ぶシーンが増えるという、なんとも残念すぎる循環が生まれてしまいます。
「自分たちの常識=若者の常識」は成立しない
自分はOさんタイプかもしれない……。そう思った人は、若者と自分たちの世代との意識の違い、常識や社会構造そのものの変化に目を向けるようにしましょう。
今の若い人たちは、個性を重視し、ステレオタイプな手法や思考を、歓迎しない傾向にあります。誰もがみな、年長者から何かを学び取りたいと思っているとは限りませんし、そもそも学ぶ必要がないかもしれません。もしかしたら、持っている知識はあなたより上回っている可能性もあります。
会社における仕事もそうです。昔はがんばれば給料が上がり、やりがいのある仕事を与えられ、上司に気に入られれば出世しやすい――そんな構造でしたし、それを目指している人たちばかりでした。
この記事に関連するニュース
-
「出世はしたくないが成長を実感したい」Z世代の新人社員に慕われる新しいリーダーのタイプ
プレジデントオンライン / 2024年6月28日 9時15分
-
「反論してくる若手」に高圧的に接しても、上司の権威は取り戻せない
PHPオンライン衆知 / 2024年6月20日 16時59分
-
「おまえ、お荷物だって自覚ある?」部下を潰すパワハラ上司。家庭でも同じことを続けた“ヒサンな結末”<漫画>
女子SPA! / 2024年6月15日 8時47分
-
30代なのに老害認定⁉「ソフト老害」の意味とは
KOIGAKU / 2024年6月13日 18時23分
-
レジで怒鳴る高齢者に絶対にしてはいけない言動 相手の「老害力」を下げるためにできる1つのこと
東洋経済オンライン / 2024年6月8日 17時0分
ランキング
-
1すき家、7月から“大人気商品”の復活が話題に 「この時期が来たか」「年中食いたい」
Sirabee / 2024年6月29日 4時0分
-
2「モノ屋敷の実家を片付け」嫌がる母と攻防の顛末 「絶対に捨てられない母」をどう説得したのか
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 13時0分
-
3朝ドラ「虎に翼」後半戦がますます面白くなる根拠 「パイオニアとしての成功物語」からどう変わる?
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 11時0分
-
4まもなく上場「タイミー」やって見えた本質的課題 ガチの隙間時間ではできず、微妙に使い勝手に難?
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 12時0分
-
5「A-10を退役させろ」ついに年貢の納め時? スーパー攻撃機も「現代戦では使えない」を示したロシアのライバル機
乗りものニュース / 2024年6月29日 6時12分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)