1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

山中に違法な繁殖場「悪徳ブリーダー」偽装の手口 問題業者を野放しにするなら法改正も意味ない

東洋経済オンライン / 2024年6月1日 10時30分

これらのケースは氷山の一角です。

悪徳ブリーダーはさまざまな法の抜け道を考え、のうのうと営業を続けています。

しかも、こうしたことを同業者が知っていても、「仲間を売るようで言いづらい」と名前を公表したり、自治体などに通報したりすることはまれです。この隠蔽体質こそ、悪徳ブリーダーがのさばる要因になっているのです。

自治体の対応に大きな格差

一方で、自治体に通報しても、状況の改善には至らないケースも少なくありません。

動物愛護管理法では、都道府県などは第1種動物取扱業者に対し、勧告、措置命令、業務停止、登録取り消しを命令できるようになっています。

複数回指導して改善されない場合は勧告を行い、それでも改善されなければ措置命令、続いて業務停止や登録取り消しを行います。立ち入り検査などを拒否された場合は、警察と連動して立ち入ることもあります。

しかし「数値規制」が始まって以降、各自治体における法の運用には、大きな格差があると筆者は感じています。

厳しい対応をしている自治体もあるものの、具体的な手順や条件について定めていない、業務多忙や職員数・獣医師職員の不足などを理由に、法の運用がなされていないところが多いのです。

そのため、前述のような数値規制の偽装をする悪徳ブリーダーがまだまだ多く存在しているのが現状です。

問題飼育で命を奪われる犬猫

悪徳ブリーダーのもとで飼育されている犬や猫の苦しみは、時間の経過とともに増していきます。命を奪われてしまうことさえあります。

各自治体により置かれている状況や問題は違いますが、監視体制の確立は急務だと考えます。数値規制の徹底、想定される偽装への対策など「監視の目」を強化し、法を順守できない悪徳ブリーダーは排除していかなければ、何も変わりません。

法の運用は、「動物の権利や命を保護するため」「劣悪な環境での繁殖・販売を防ぐため」には必須です。最後に数値規制の具体例を示しておきます(※外部配信先では表を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

今年6月から完全施行される第1種動物取扱業者に対する数値規制。各自治体の動きを注視していく必要があるでしょう。

阪根 美果:ペットジャーナリスト

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください