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上場会社の社外取締役には「みちょぱ」を指名せよ 株主総会前に正しい企業統治とは何かを考える

東洋経済オンライン / 2024年6月1日 8時30分

一方、調教師においては、馬房制限というものがあり、JRA競馬に出走させる馬を入厩させる枠を限定することによって、すべての調教師がある程度食べていけるような制度になっている。

確かに、かつてに比べれば、馬房の配分にも競争メカニズムが働いてはいるが、限定的である。そのひずみがあるために、有力馬主たちは、JRAの調教師の下に馬を置かず、いわゆる外厩と呼ばれる、育成、調教牧場、施設に馬を預け、JRAの10日間ルール(出走前10日間はJRAの厩舎にいなくてはいけないという規制)に形式的に従って、馬の調整はほとんど外厩で済ませてしまっている。

このままでは、JRA調教師は馬房という既得権益を持っているだけの存在になってしまう。やはり、生産者、厩舎、騎手が一体となって馬を育てていくべきで、現状はひずみが大きくなる一方である。

そして、直近の最大の問題は、ダートレースは地方で多くの重賞が行われているが、これがほぼすべて日本国内でのグレード格付けしか得られていない、ということである。

例えば、種牡馬として成功しているホッコータルマエは、JRAでのG1は1勝だけだが、地方G1は9勝もしている。だが、この9勝のうち国際G1格付けを得ているのは、年末のレースである東京大賞典での2勝だけだ。

そのため、JRAとNARの勝ちを入れても、国際的には「G1で3勝しかしていない馬」になってしまうのである。だが地方G1も国際G1となれば、ホッコータルマエは「G1で10勝をあげた超スーパースター種牡馬」として世界に売り出せるのである。

このように、NAR競馬とJRA競馬の一体化を進め、NARの重賞もJRAの重賞と同様に、国際的に扱われるようにしないと、日本のダート競馬の発展はない。いまやダート競馬のほうが芝よりも世界的には需要が高いのである。

北海道に「第3のトレーニングセンター」を  

長くなったので、最後に提案だけ書こう。北海道に、茨城県の美浦と滋賀県の栗東に続くJRAの「第3のトレーニングセンター」を建設する。

JRAの札幌競馬場、NARの門別競馬場、どちらにもアクセスしやすい場所にする。ここの馬房は、JRA調教師たちには柔軟に割り当て、現調教師の下で修業し調教師を目指している、いわば副調教師的なホースマンを育てる機会とする(調教師は美浦、彼(彼女)は北海道勤務にする)。

さらに、このトレセンを地方競馬の調教師に開放する。ホッカイドウ競馬が中心にはなるだろうが、地方馬および地方競馬関係者の調教レベルアップの機会とする。

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