成功者の参拝での祈り方には2パターンあった 強運を呼ぶ込むために大切なある共通点
東洋経済オンライン / 2024年6月2日 18時0分
著名な経営者をはじめ、成功したビジネスパーソンには、年始や期初に限らず、日頃から社寺(神社・お寺)を参拝する習慣のある人が多い。彼らはいったい、何を、どのように祈っているのか? 神社を探求する社会心理学者の八木龍平氏に、ビジネスで強運を呼ぶための「祈り方」を聞いた。
※本記事は八木龍平著『成功するビジネスパーソンは、なぜ忙しくても神社に行くのか?』の内容を一部抜粋したものです。
「いのり」は、意を宣(の)り、威(い)に乗る
「成功したビジネスパーソンの祈り方に共通点があるのでは?」
私は、さまざまな著名人の祈り方を聞いて、共通点が見えてきました。もちろん「教祖・教典・教義」のない神道ですから、決まりも答えもありませんが、私なりの分析結果をお伝えします。
まず結論を申し上げると、強運を呼ぶ祈り方は2パターンあり、ひとつは自身の意志を神様に宣言すること、もうひとつは神様の意志にそうことです。
なぜこの2パターンなのか? 「祈る」という言葉を分解すると、その理由が明確になります。
「祈り」は「い」「の」「り」の3文字です。漢字にすると、祈りは「意(い)宣(の)り」で「威(い)乗(の)り」。
「い」という字は、古くより神聖なもの・大事なものに付けられ、不吉なものを避け、吉事を招くことをあらわします。神聖な「い」を「のる」、もしくは「い」に「のる」のですが、では「のる」とは何でしょうか?
「のる」には、「宣る」と「乗る」があります。「宣る」は宣言すること。意「を」宣る「意宣(いの)り」は神様に自分の意志を宣言することです。自分自身の決意や覚悟を、神様に誓い約束します。神社での目標宣言は、まさにこの「意宣り」で、自力を高めます。
京都市左京区八瀬の九頭竜大社に50年以上も毎月参拝し続けるニデック(旧・日本電産)の創業者・永守重信氏は九頭竜大社で、「『日本電産の業績を良くしてほしい』といったお願い事は一切しない。神前に立ち、心を静め、ただその時々の決意を述べることにしている」(「年の初めに自戒を込めて〈永守重信氏の経営者ブログ〉」『日本経済新聞 電子版』2011年1月12日)とのこと。ご自身の素直な意をただ神様にお伝えするのです。
一方、「乗る」は、波に乗るというように、その時の流れにうまく合うこと。威「に」乗る「威乗(いの)り」は神様の力に乗ることです。自然の流れに乗る、世の流れに乗る、伝統の流れに乗る、いい意味で調子に乗るなど、人々や自然によりつくり出された風潮や時勢にぴったり合う様子を指します。要するに他力に乗るのです。
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