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軽自動車の「勢力変化」10年データで浮き彫りに じわじわ進んだダウンサイジングの変遷の中身

東洋経済オンライン / 2024年6月4日 11時30分

結果を見てみると、4車種ともに同じ車種から乗り換えている人が多いことがわかる。N-BOXでは、実に4割もの人がN-BOXから乗り換えていることがわかった。

2位、3位は、購入したメーカーと同じメーカー(スズキ車ならスズキ車)のコンパクトカーや、軽自動車がランクインしている。

この10年でトレンドはどう変わったか?

前有車ランキングは、2023年という1年間のみの“点”のデータである。ここからさらに分析を深めるため、時系列で変遷を確認し、“線”で見ていこう。

次の表はN-BOX、スペーシア、タント、ルークスの4車に「軽自動車から乗り換えた人」の割合を示すものだ。

N-BOX購入者のうち「軽自動車からの乗り換え」は、2013年に58.6%だったが、2022年には7割を超え、2023年では73%へと上昇している。同様にスペーシアとタントも、2013年では7割弱だったものが2023年には8割超に。

N-BOXよりも、スペーシアとタントの「軽自動車からの乗り換え」が多いのは、スズキとダイハツが軽自動車を主戦場としているメーカーであるためだろう。一方、登録車を中心とする日産のルークスは、他の3車種と比べてそれほど増えていない。

さらに深掘りして、前有車を「軽自動車全体」から「軽ハイトワゴンと軽スーパーハイトワゴン」に絞ると次のようになる。

日本で一番売れているクルマと言っていいN-BOXが特に顕著であるが、年々軽ハイトワゴン/軽スーパーハイトワゴンからの乗り換え率が上昇している。

これが何を示しているかというと、軽スーパーハイトワゴンというカテゴリーの人気が高まってシェアを広げ、そのカテゴリー内での買い替えが年々進み、定着しているということだ。これらのことから、次の変遷をたどることができる。

軽スーパーハイトワゴンがファミリーカー/ファーストカーとして人気を集めだしたのは、2007年発売の2代目タントあたりから。2008年にスペーシアの前身であるスズキ「パレット」、そして2011年に初代N-BOXが発売され、爆発的ヒットにつながっていく。これが第1段階だ。

この第1段階では、ホンダ「フィット」や日産「マーチ」といったコンパクトカーからの乗り換えが一定数見られたため、「軽自動車からの乗り換え」の割合は今ほど高くなかったのだ。

それが3年5年……と経つうちに、「N-BOXからN-BOX」「N-BOXからルークス」といった、軽スーパーハイトワゴン内での乗り換えや比較検討が激しくなる。これが第2段階といえる。

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