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軽自動車の「勢力変化」10年データで浮き彫りに じわじわ進んだダウンサイジングの変遷の中身

東洋経済オンライン / 2024年6月4日 11時30分

そして現在は、第3段階にある。同一車種内での乗り換えも多く、ある程度ユーザーのすみ分けが完了した段階だ。

どの車種も、ユーザー視点での期待値を十分に超える性能/装備を持つため、乗り慣れた車種(あるいはメーカー)で乗り換えたいという保守的な気持ちもあるかもしれない。

実際に「購入しようと考えたきっかけ」の回答を多い順に並べると、2022-2023年のN-BOX購入者では次のような結果になった。

1位:営業スタッフの話を聞いて
2位:ショールーム・展示場でクルマを見て
3位:街を走っているクルマを見て
4位:前にも同じクルマに乗っていた
5位:メーカーの公式ホームページを見て

「前にも同じクルマに乗っていた」が、購入のきっかけに影響を及ぼしていることがわかる。

ダウンサイジングでも下がらぬ車両価格

これまで見てきたように、全体的な傾向として日本人の買うクルマは小さくなり、軽自動車がよく売れる状態が続いている。一方で新車価格に目を向けるとどうだろうか。

今回、取り上げたN-BOX、スペーシア、タント、ルークスの4車種の「値引き前車両本体+オプション価格」の時系列データを次に示す。

4車種とも、2014~2015年の平均購入価格は180万円程度であったのに対し、2022~2023年では200万円オーバーであり、N-BOXは225万円、ルークスは239万円にもなっている。平均購入価格が年々、上昇していることは明らかで、「クルマの値段は上がり続けている」と言えよう。

たしかに、各種機能や安全装備は、充実の一途をたどっている。衝突時の安全性はもちろん、衝突を回避する予防安全技術も高まっており、運転者や同乗者だけでなく歩行者を守る点でもその意義は大きい。

ただし、日々クルマを使う中で進化やメリットを感じづらいのは、安全装備の宿命だ。そのため、漠然と「最近のクルマは高い」といったイメージを持たれている部分はあるだろう。また、原材料費や物流費の高騰などに伴う売価上昇もあった。

N-BOXであれば、2023年4月に2万円ほど値上げされているし、ルークスは2022年9月と2023年4月の2回、改良による売価変更を行った。ルークスは、オプションアイテムが標準化されるなどはありつつも、20万円超もの値上げとなったグレードもある。

価格上昇は、消費者としては厳しい。充実した装備よりも手頃な価格のクルマがほしい、というユーザーもいるだろう。そういった人々にとっては、乗れるクルマがどんどん限られてしまう。

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