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「見た目の良さ」が他のすべての評価を高める訳 ビジネスにも応用できる「ハロー効果」の力

東洋経済オンライン / 2024年6月5日 8時30分

だが、できるからといって、そうすべきであるとは限らない。ハロー効果で多くの指標が連動するとはいえ、必ずそろって動く保証はないからだ。指標が完璧に連動しないのなら、間接的なアプローチが無駄になる可能性もある。ブランドの好感度を大きく高めても、品質の評価はちょっとしか変わらないということもありえる。

だとすれば、この作戦はいつ使うのが得策なのだろう。ハロー効果を狙うのが合理的かどうか、検討する必要がある。

ハロー効果を活用すべきタイミングの一つが、コロンビア大学のバーバラ・コルトフによる1962年の研究で発見されている。対象が比較的無名であったときにハロー効果がパワフルに作用するというのだ。

実験では、被験者にいくつかの人物評を読ませた。「若い男性。あなたはこの人を知っていて、好感をもっている」とか、「高齢男性。あなたはこの人が嫌いで、よく知らない」などだ。

被験者は次に、この描写に当てはまりそうな知人を思い浮かべる。そして、思い浮かべた知人について、つきあいやすいタイプか敵対的なタイプか、忠誠心が強いタイプか嫉妬心が強いタイプか、合計47種類の性格的特徴を評価する。

よく知らない知人を思い浮かべた被験者は、その人物の性質を“一事が万事”として評価する傾向が強かった。よく知っている人物を思い浮かべた被験者よりも、一つの評価がほかの評価に影響していたという意味だ。

知名度のないブランドで活用すべし

ここから推測できるのは、ハロー効果は不確実性の高い状況で発揮されやすい、という点だ。

ある人物、あるブランドと最低限のかかわりしかないなら、すべての性質について個別に解釈するチャンスがあったはずもない。裏を返せば、新しいブランド、知名度が限られているブランドであるほど、一つの特徴について宣伝することで、ほかの特徴も含めたイメージを変えられるというわけだ。

(翻訳:上原裕美子)

リチャード・ショットン:イギリス広告代理店協会(IPA)名誉会員、ケンブリッジ大学チャーチル・カレッジ・モラー研究所アソシエイト

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