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岸博幸氏「高齢者の社会保険料」一律支援は限界だ 治療の費用で実感した事、インタビュー後編

東洋経済オンライン / 2024年6月5日 12時0分

だから、個人から変わっていかないといけない。幸い、今の若い人たちは2~3年で会社を辞めるし、フリーランスも増えている。これはいいことだと思うんです。

自分が病気になって思うのは、やっぱり金は稼いでおいたほうがいい。そのためには、稼げるように生産性を上げないと。個人的にはこの部分がいちばん大事だと思っています。

春闘で「5%くらい賃上げがあってよかったよね」って言っているけれど、違うんじゃないかな。物価が上がれば賃金も上がるって勘違いしやすいんだけど、経済学的には、賃金はその人の生産性に比例することがわかっています。

残念ながら、日本人は生産性がとても低い。だから、まずは自分で稼ぐ力を強化していかないとダメです。

――そうはいっても、どうすれば生産性を上げられるのか……。

実は生産性を上げるってそんなに難しいわけじゃなくて、早い話が、イノベーションを作り出せばいい。そのためにも、ルーティンワークはできるだけ早くすませて、その分をアウトプットに充てるべきなんですね。

さらに言うと、ルーティンワークを手早くすませるためには、デジタルを使いこなす必要があるけれど、反対に、クリエイティブな仕事をするためには、デジタルを使いすぎると失敗する。やっぱり自分の頭で考えないとだめです。

今の時代は、何かあるとすぐネットでみんな調べるじゃないですか。これをやってると、自分の頭で考えることができなくなっちゃう。そういう人は新しいアイデアを出せなくて、結局ネットの情報の受け売りで終わっちゃいます。

いろんな研究で証明されているけれど、本をじっくり読むとか、デジタルがまったくない環境のなかで自分の頭で考えるとか、そういうことをやるといいと思います。

――言うはやすくという感じです。

使っちゃダメって言っているわけではなくて、デジタルを使いこなす部分と、デジタルから離れる部分の両方を強化することが大事です。

そういう意味では、現代の人って昔の人に比べてすごく大変です。

電車の中では絶対にスマホを見ない!

――具体的なアドバイスはありますか?

かなりトレーニングをしないといけません。

現代人はスマホのせいで集中力がそがれていますから、最初は10分も集中できないと思います。だから、まずは15分、ネットもスマホも切って、頭で考えてみる。これができるようになったら、次はそれを30分に延ばす。

あとは電車に乗っている時間、あるいは電車の待ち時間のスマホ断ちですね。みんなすぐにスマホ見るじゃないですか、あれを耐える。こういう何もやることがないときに頭を使うのって、すごく大事なんです。ちなみに僕は電車の中では絶対、スマホを見ません。

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