「嘘の笑顔で自撮りする人」が幸せになれる根拠 ニッコリ笑った自撮りがもたらすスゴイ効果
東洋経済オンライン / 2024年6月6日 16時0分
「運気」と聞くと、非科学的なもの、エセ科学、スピリチュアル系、うさんくさいなどというイメージがあるかもしれません。しかし、運気が上がっているかどうかは、次の2つに落ち着きます。
1:出来事をどう解釈するか
2:出来事が起こる確率
それぞれ、心理学や脳科学、統計学の話がかかわってくるので、「運気」というテーマは、きっちりと学術的・科学的研究の対象となるのです。『世界の研究101から導いた 科学的に運気を上げる方法』を上梓した明治大学教授の堀田秀吾氏が、科学的に運気を上げるコツを紹介します。
いい写真を撮るだけでも幸福度は上がる!?
SNSとの付き合い方は人それぞれですが、最もポピュラーな使い方の1つは自分や友人、食べ物といった、写真のアップロードではないでしょうか?
私自身も、さすがにTikTokにダンス動画をアップするようなことはありませんが、フェイスブックなどに投稿するときは、何かしらの写真がほぼ必ずセットになっています。そんな写真についてもさまざまな研究があり、「笑顔の自分を自撮りすること」は幸福度を上げる1つの方法のようです。
カリフォルニア大学アーバイン校のユ・チェンら[1]は、41人の被験者を3グループに分けて、それぞれの条件で写真を撮影させる実験を行いました。
A 笑顔の自撮り写真を毎日1枚、4週間にわたって撮影する
B 自分が嬉しくなるものの写真を毎日1枚、4週間にわたって撮影する
C 他者を喜ばせるものの写真を毎日1枚、4週間にわたって撮影する
すると、3週間を過ぎた頃には、すべてのグループでポジティブな感情の増加が見られました。つまり、写真を毎日撮るだけで、幸福度が上がったのです。
さらに、グループA〜Cの中で最もポジティブな感情が増したのが、笑顔の自撮り写真を撮影するグループAでした。次いでグループB、グループCの順番です。
脳には、自分や周囲の人の感情に引きずられる性質があります。この研究でも、笑顔の自分を自撮りするグループAの被験者は、普段の生活の中で笑顔が増えるという結果が出ています。
ちなみに、自分が嬉しくなるものを撮ったグループBの被験者は思慮深さに富むようになり、他者を喜ばせるものを撮ったグループCの被験者は「家族や友人との関係が、自身のストレス軽減に繫がる」と感じるようになったそうです。
つくり笑顔でも脳は勘違いする
このチェンらの研究のポイントは、〝笑顔〞の自撮り写真である点です。
ハッピーアクションとするには、あくまでもニッコリ笑った自撮りでなければいけない。
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