お金がなくても「運動で幸せになれる」研究結果 運動するグループと運動しないグループで調査
東洋経済オンライン / 2024年6月8日 18時0分
「運気」と聞くと、非科学的なもの、エセ科学、スピリチュアル系、うさんくさいなどというイメージがあるかもしれません。しかし、運気が上がっているかどうかは、次の2つに落ち着きます。
1:出来事をどう解釈するか
2:出来事が起こる確率
それぞれ、心理学や脳科学、統計学の話がかかわってくるので、「運気」というテーマは、きっちりと学術的・科学的研究の対象となるのです。『世界の研究101から導いた 科学的に運気を上げる方法』を上梓した明治大学教授の堀田秀吾氏が、科学的に運気を上げるコツを紹介します。
自然に触れると安心感と幸福感が得られる
旧石器時代と、紛争地域などを除いた先進国の現代人とは、ただ生きるうえでの危険度が段違いでした。
おとぎ話の『三匹の子豚』ではありませんが、人を噛み殺せるような動物が近所を徘徊していても、鉄筋コンクリート造の家屋の中で戸締まりをしっかりしておけば、外壁が傷つくくらいはあっても、基本的に命の危険はありません。
つまり、進化が文明の発展に追いついていない脳にとっては、現代的な生活空間でしか得られない安全、安心感もあると考えられます。
ただ、現代建築が、明らかな異物であることは間違いないので、昔からある自然に触れると、都会に働きに出た人が帰郷してリラックスするかのような、ほっとする安心感、幸福感が得られるわけです。
スタンフォード大学のグレゴリー・N・ブラットマンら[1]は、北カリフォルニアに住む38名の被験者を次の2つのグループに分けて、散歩後の変化を調べました。
1.「自然の中を90分散歩」するグループ(ネイチャーウォーカー)
2.「街中を90分散歩」するグループ(アーバンウォーカー)
その結果、ネイチャーウォーカーたちは、散歩前よりも、散歩後のほうが、自分自身に対して否定的な考えをする人が少なくなり、アーバンウォーカーたちは変化がなかったのです。
「自然」に触れるとストレス値が低下
さらに、自然というのは、特に大自然である必要はないようです。ミシガン大学のマリーキャロル・R・ハンターら[2]は、都会暮らしの36人の被験者に8週間にわたって週に最低3回10分以上、自然に触れる機会をつくって過ごしてもらいました。
この実験での「自然」とは、自分が「自然」と感じる場所ならどこでもいいということになっています。そして、調査期間中、4回にわたってコルチゾールの分泌量を測って、ストレス度合いをチェックしました。
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