「話を聞いてもらえない」職場が陥る負の連鎖 部下の話を聞かず自分ばかり話していないか?
東洋経済オンライン / 2024年6月10日 14時0分
コーチングに用いられるスキルの一つに「アクノレッジメント」というものがあります。日本語にすれば「承認」となりますが、これは単に「ほめる」ことではなく、「相手の存在を認め、相手に表れている変化や違い、成果や成長にいち早く気づき、それを言語化して相手に伝えること」を意味しています。では具体的にアクノレッジメントを行動として示すには、どうしたらいいのでしょうか。『「承認 (アクノレッジ) 」が人を動かす』を上梓したコーチ・エィ代表取締役 社長執行役員の鈴木義幸氏に聞きました。
話を聞いてもらえないのは"暴力"に近い
前回の記事で「アクノレッジメント」とは、「その人がそこにいることに自分は気が付いている。それを相手に伝えること」、つまり「存在承認」である、とお伝えしました。
【イラスト】自分ばかり話すのではなく、「君はどう思う?」と聞いてみたら?
存在を認識する行為には、挨拶をする、声をかける、相手の変化に気づいて伝える、メールにクイックレスポンスする、など、さまざまありますが、なんと言ってもアクノレッジメントの“王様”は、相手の話を「聞く」ことでしょう。
なぜかというと、人は自分の話を聞いてもらえない時ほど、自分の存在に対する不安を覚えるからです。
実際2009年のUCLA(University of California at Los Angeles)の研究では、話を聞いてもらえないと、人の脳の中では、殴られたときと同じような神経衝撃が起こることがわかっています。
物理的な暴力を振るわれるのと同じくらい、話を聞いてもらえない、ということに対して、脳は危機を察知するわけです。
つまり「聞く」というのは、相手の存在を直接的に認識する行為で、相手の中に「自分は確かにここに存在している」「存在していていいんだ」という存在実感と存在肯定をもたらします。
前回の記事で、祖父母に育てられた子どもは、自己肯定感が高まるという話をしましたが、だいたい祖父母というのは、こちらが何を話しても、おおむね肯定的に聞いてくれるのが影響していると思います。
そのため、子どもからすれば、おじいちゃんおばあちゃんにはなんでも話せるという気持ちになるものです。
自分の孫に対してだけではなく、歳を重ねていくと、聞くという行為を通して相手の存在価値を浮かびあがらせていく能力に長ける方が増えるようです。
アメリカのあるラジオ局のプロデューサーが、100歳まで生きた人(センティナリアンと言います)は、いったいどんな他の人との違いがあるのかをリサーチしました。
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