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JR東海は否定せず、新幹線「静岡空港駅」の可能性 鈴木新知事、リニア「県にメリットを」発言受け

東洋経済オンライン / 2024年6月10日 6時30分

会談する静岡県の鈴木康友知事(左)とJR東海の丹羽俊介社長(写真:静岡県)

静岡県の川勝平太前知事はリニア中央新幹線・静岡工区の着工を頑なに認めなかった。大井川の水資源や南アルプスの生物多様性を守るという前知事の主張にはそれなりに理解できる点もあったが、反対のための反対と受け取られかねない言動を繰り返したことで県民の支持を失い、辞任に追い込まれた。

【写真を見る】静岡県の鈴木康友知事とJR東海の丹羽俊介社長

5月末の知事選に当選し新たに就任した鈴木康友知事は選挙公約で「大井川の水資源確保と南アルプスの自然環境の保護の両立を図りながら推進する」としていた。対立候補の元副知事・大村慎一氏が「リニア中央新幹線の問題は責任を持って解決する」と語っていたのと比べると、やや前知事に近いスタンスにも見える。鈴木知事はリニア静岡工区の問題についてどのような舵取りを行うのだろうか。

JR東海社長「有意義だった」知事との会談

6月5日、JR東海の丹羽俊介社長は鈴木知事を表敬訪問し、約30分の会談を行った。会談後、丹羽社長、その後に鈴木知事がそれぞれ報道陣の取材に応じた。

今回の会談で静岡工区をめぐる問題について協議したかどうかに焦点が集まったが、丹羽社長は、「今日の目的はあいさつ。静岡は当社の新幹線や在来線が走り、観光やそのほかの事業も展開している。当社にとって大切な県であり関係を強化したいと総論的に申し上げた」として、「具体的な話はしていない」と述べた。一方で、「協議は前に進んだのか」という質問に対しては、「1日も早く着工したいが、地域のご理解やご協力を得ることが優先であり、その意味で直接お会いしてお話しできたことは有意義だった」と述べた。

同様の質問が鈴木知事にも向けられ、「28項目の課題を1つ1つ真摯にご回答いただき、専門部会などが検証した後、利水者などの関係者がご納得してはじめて道が開けると思う」との回答があった。丹羽社長よりは発言のニュアンスがやや厳し目だった。

ただ、鈴木知事の印象を問われた丹羽社長は「熱心に耳を傾けてくれるので率直に意見交換ができた。今後もコミュニケーションをとっていけるという感触」と話し、「有意義だった」という言葉を10分程度の取材時間で何度も繰り返した。丹羽社長にとって実りある会談だったことを感じさせた。

静岡での展開強化、観光列車も運行

「静岡は大切な県」という丹羽社長の言葉のとおり、最近のJR東海は静岡県内におけるビジネス展開を強化している。5月30日には丹羽社長と東急の堀江正博社長が共同で記者会見し、東急の豪華観光列車「THE ROYAL EXPRESS(ザ・ロイヤルエクスプレス)」がJR東海道線に乗り入れて、静岡県の観光名所をめぐる3泊4日のツアーを11月から12月にかけて6回実施すると発表した。

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