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7月に日本株のサマーラリーが来るかもしれない 「買い方」vs.「売り方」の攻防戦はしばらく続く

東洋経済オンライン / 2024年6月10日 9時30分

日本株は足踏み状態が続くが、今の投資家の心理は決して悪くなさそうだ(写真:ブルームバーグ)

日経平均株価は再上昇するのか、それとも下落するのか。3月22日に4万0888円をつけたあと、4月末の引け値は3万8405円まで後退したが、5月末は3万8457円と、激しい攻防戦だった割に水準訂正はなかった。攻防戦は6月に入っても続いている。

株価と移動平均線との乖離率を見ると、その戦いの姿がよく見える。移動平均線は買い方にとっても売り方にとっても「仕掛けたコスト」であり、この乖離率がプラスかマイナスかは、投資家心理に大きな影響を与える。つまり、攻防戦の最前線そのものが「移動平均乖離率」といえる。

「買い戦略」をとる投資家の心理はさほど悪くない

このコラムでも何度も取り上げているが、代表的な移動平均線は25日(短期)、75日(中期)、200日(長期)で、それぞれの乖離率や、3つの乖離率を合計した「総合乖離」が大きな意味を持つ。

6月7日現在の移動平均乖離率を見ると、25日は+0.21%であるものの、75日は-0.81%となっている。戦いの水準としては、長期の200日が+9.13%で、また25日移動平均線そのものも上向きだ。さらに総合乖離が+8.53%であるので、激しい攻防戦が続いているとはいえ、買い方の投資家心理はそれほど悪くない。

その結果、4月19日の3万7068円が、1~3月の急騰相場の押し目の限界と感じる投資家も多くなってきた。大きく下がる心配も薄れたため、「下がらなければ上がるのでは」という楽観論のもと、7月にはこの攻防戦もサマーラリーの形で決着するのではないかとの見方が兜町で広まっている。

そのカギを握るのが、今週に開催される日米金融当局の政策決定会合(アメリカは11~12日、日本13~14日)だが、日米ともに当局の政策には過渡的な曖昧さが漂う。

7日に発表されたアメリカの5月の雇用統計非農業部門の就業者数は前月比27万2000人増と、予想外に大きな数字だった。一方で、3月は31万5000人から31万人に、4月は17万5000人から16万5000人へと下方修正されている。

また、平均時給も5月は前月比+0.4%と予想の+0.3%を上回り、前年同月比でも+4.1%と4月の+3.9%を上回った。だが、失業率を見ると、2022年1月以来となる+4.0%となり、4月の+3.9%を上回った。何かちぐはぐな雇用環境の数字である。

一方、国内でも日本銀行の金融政策の重要な要素である消費支出(7日発表)が実質で前年同月比1.5%増と、実に14カ月ぶりにプラスに転じた。だが、「プラス定着」は物価と賃上げの動向次第とされ、曖昧な評価となっている。

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