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生成AIブームの中でアップルが出した「答え」 例年以上に大注目のWWDCで明かされた真実

東洋経済オンライン / 2024年6月12日 7時0分

しかも、情報を探す手段は必ずしもメールだけではない。

メールを探しても、特定のやりとりを見つけられなかったという経験は、誰しもがあるはずだ。どこかのSNSで会話をしたのか、あるいはSMSでそのやりとりを行ったのか、本人はメールだと思い込んでいるだけで、ほかの方法で連絡を取っていた可能性もある。そのような場合でも、新しいSiriは該当する情報を複数の場所から見つけ、連絡を取り合った内容について把握することができる。

こうした機能を実現するためには、デバイス上にあらゆる情報が入ってこなければ行うことができない。例えば、Google Workspaceを使っていた場合、グーグルは他社のツールでローカル処理している情報までは探すことはできない。

一連の機能は、今年後半(おそらく9月以降に提供される各OSの定期アップデート)で北米市場で英語対応のみで導入され、来年以降に各国言語へと対応幅を広げていく。利用可能なデバイスはiPhone(15 Pro以降)およびApple M1を搭載したiPadおよびMacだ。

「Apple Intelligence」に4つの特徴

Apple IntelligenceとほかのAIソリューションの違いは大きく分けると4つある。

1つ目は前述したように、端末に集まる情報を活用した利便性を提供できること。iPhone、iPad、Macという3種類のパーソナルコンピューティングデバイスで扱っている情報を、デバイス内でフルに活用できるということだ。これらのデバイス、特にiPhoneに集まるユーザーにとって最も身近な情報を基にしたAI機能を実現できる。

Apple IntelligenceはアップルのOSに統合されているため、その上で動作するあらゆるアプリケーションと連動する。そして、それらのアプリケーションで扱う情報をApple Intelligenceの中で分析できる。複数のアプリケーションをまたいで連携し、複雑な機能や情報抽出を実現できるのは、Apple Intelligenceがあなたのことをよく知っているからである。

2つ目は“プライベートクラウド”とアップルが呼ぶ、新たな仕組みを用いることで、デバイス内のエッジAIとクラウドの大きなパフォーマンスを用いたAIをシームレスに統合していることだ。

アップルのAIソリューションは、基本的にはデバイス内で完結するエッジAIで処理される。デバイス内で処理される言語モデルのパラメーター数は30億。この規模はクラウド上で提供されるLLMに比べれば1桁少ないが、デバイス上で処理される質問に絞り込んでおり、個人的なタスクの多くはこなせる。

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