1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

2025年、全都道府県で「最低賃金1000円」達成せよ 中小企業の「支払い能力」は過去最高を記録中

東洋経済オンライン / 2024年6月13日 9時0分

ただの主張ではなく、エビデンスで確認しましょう。2012年以降、最低賃金は1.34倍になり、加重平均で749円から1004円へと、255円も上がっています。

その間、法人企業統計のデータによると、企業数は20.1万社増加しました。これは7.4%の増加です。雇用は221万人増加し、5.4%の増加です。史上最高の雇用者数となっています。

そもそも、モノプソニーの概念に基づいて適切に最低賃金を引き上げると、雇用は減るどころか増えるとされています(参考記事:日本人の「給料安すぎ問題」はこの理論で解ける)。

そもそも、これほどの人手不足の中、時給1000円も払わない企業で働く必要はありませんし、時給1000円も支払えない企業を存続させるために、労働者が犠牲になる必要もありません。

年収の壁を廃止せよ

最低賃金の引き上げによって雇用は減りませんが、労働供給量が減ることはあります。それは年収の壁の悪影響によるものです(参考記事:日本の選択「年収の壁の廃止」か「移民に参政権」か)。

高齢者の数が減らないのに、生産年齢人口が激減することで、労働者1人当たりの社会保障負担が増えています。その負担に耐えるには、一人でも多くの日本人がフルに働き、フルに稼ぐ必要があります。

しかし、年収の壁によって、優秀な女性は最低賃金が上がった分だけ、控除を継続するために労働力の供給を減らします。年収の壁は、明らかに経済合理性がなく、経済活動に歪みをもたらしています。家庭の年収も減少させています。

政府は、年収の壁を引き上げるのではなく、稼ぐだけ稼いでもらうために、多くの先進国同様に、年収の壁を廃止するべきです。今の税優遇は維持したうえで、「平成何年生まれ以降」と年齢を区切りつつ、第3号被保険者制度も廃止するべきです。

日本経済は、人口減少に伴い、消費者の数が減少しています。このままでは経済の規模そのものが縮小します。それを防ぐためには、若者を中心に現役世代の年収を増やすしかありません。

政府は年収の壁を廃止し、継続的に最低賃金を引き上げるべきです。

デービッド・アトキンソン:小西美術工藝社社長

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください