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「サイゼが香川で苦戦中」噂は本当か検証した結果 ミラノ風ドリアをもってしても…高き「うどんの壁」

東洋経済オンライン / 2024年6月13日 12時0分

商店街、というよりもショッピングモールと言ったほうがいいぐらい、さまざまな施設が入っていて、チェーン店も適度に入居する。その中に、サイゼリヤができたのだ。

中に入ってみる。やはり、混み具合は8割ぐらい、といったところ。空席がポツポツとある。日曜の18時なんて、家族連れも来るし、友達同士でも来るだろうし、かなりのゴールデンタイムのはず。

ちなみに、商店街自体は、かなりのにぎわいだ。

結論を言うと、他の2店舗(イオンモール高松店、イオンモール綾川店)についても、やはり同じぐらいの混み具合だった。並ぶかなあ、と覚悟してたのだが、すぐに入れた。都内のサイゼでは、なかなか考えにくい状況である。

香川に立ちはだかる「うどんの壁」

さて、ではなぜ、このようなことが起こっているのか。ランチ・ディナーそれぞれの時間に分けて考えてみよう。

まずはランチ。先ほども紹介した通り、サイゼでは500円でランチを食べることができる。しかも、セットのサラダとスープ付き。うれしい。

しかし、そこに壁が立ちはだかる。うどんだ。私は、この香川県におけるランチ業界の問題を「うどんの壁」問題と名付けている。

「うどんの壁」は高い。香川県には2023年の段階で、479軒のうどん屋があり、県民1万人当たり、5.08軒のうどん屋がある。これは、国内ダントツ1位だ。

ちなみに、香川のほとんどのうどん屋は14時前後に店を閉める場合が多く、基本的にモーニング・ランチ向けの食事である。

問題は、うどん1回当たりの支出額である。そんな、うどん1回の支出額なんて統計があるわけが……と思ったら存在した。地元の銀行「百十四銀行」のシンクタンク「百十四経済研究所」が、2021年から年次で香川県民のうどんの消費状況についてアンケートを取っているのだ。

最新の調査である2023年では、県民のうどん外食1回当たりの平均支払金額は503.96円と推定されている。うどん外食のほとんどがランチだろうから、これはイコール「うどんをランチとして食べるときに支払う金額」と捉えてもよい(とても安いが、前年より28円ほど平均値が上がっている)。

すると、どうだろうか。サイゼの500円ランチと、香川県民のうどん支出額は、ほぼ拮抗するのである。大発見だ。

なるほど、こうなってくると、うどんとサイゼランチは値段的な面でいえば、互角に戦わなくてはならなくなる。「うどんの壁」はなかなか高い。

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