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「スラダン酷似ビラ」自民系候補が超絶マズい理由 「著作権法に抵触する可能性」以外の問題点も

東洋経済オンライン / 2024年6月13日 17時30分

人気漫画を想起させる政策ビラ。バスケットボールのユニホーム姿の小林幹夫氏(手前)、茂木敏充党幹事長(右から2人目)、福田富一・栃木県知事(奥)らが描かれた(写真:共同通信)

選挙に際して配られた「ビラ」が、人気アニメーション映画のポスターに酷似していると、注目が集まっている。見比べてみると、確かにパロディーの要素が色濃く、著作権法違反を指摘する声もある。

【比較画像】映画「THE FIRST SLAM DUNK」のポスターはこちら

しかし一連のニュースを眺めていると、このビラには著作権だけでない、複数の問題点があるように感じられる。そこで今回は、4つの観点から「このビラがマズかった理由」を考えてみよう。

人気漫画「スラムダンク」ポスターに酷似

話題になっているのは、栃木県鹿沼市長選の候補者(自公推薦、後に落選)の陣営が作成したチラシだ。

表紙には大きく「総力結集KANUMA!!!!!!」の文字があしらわれ、下部には「THE FIRST TEAM UP KANUMA」「このまちをもう一度建て直す」「あきらめたらそこで鹿沼が終わる」の文言も書かれていた。

そして目をひくのは、「KANUMA!!!!!!」にかぶせるように配置されている、バスケットボールのユニフォームに身を包んだ5人のイラストだ。候補者はもちろん、栃木選出の自民党・茂木敏充幹事長や、福田富一栃木県知事の姿もあった。

鹿沼市長選は2024年6月9日に投開票されたが、その翌日あたりから「ビラが著作権法に抵触する可能性がある」という報道が相次いだ。

類似が指摘されているのは、井上雄彦さんの人気漫画『SLAM DUNK(スラムダンク)』を映画化した「THE FIRST SLAM DUNK」のポスターだ。

見比べてみると、確かに近い印象を覚える。

本家には、大きく書かれた「SLAM DUNK」の文字に、バスケットボールのユニフォームを着た5人のキャラクターが重なる。どちらにも「THE FIRST ○○」の文言があり、原作の名言である「あきらめたらそこで試合終了ですよ」を想起させるフレーズもある。

各種報道では、陣営スタッフへの取材内容も書かれており、そこでは「他地域の商店街がつくったポスターを参考にした」「若いスタッフが作成したようだ」などの主張が掲載されている。これらの記事では、有識者による見解も併記されているが、ある新聞は「翻案権侵害の恐れ」を指摘し、またある新聞は「完全複写ではなく、著作権侵害にあたらない」といった主旨のコメントを掲載している。

4つの「マズい理由」

一連の経緯が報じられたことで、SNS上では議論が広がっている。またテレビの情報番組などでも、この話題が伝えられ、コメンテーターの反応が、さらに記事化される状況だ。そこで、これまで数々の「炎上」をウォッチしてきた、ネットメディア編集者である筆者の視点から、このビラが「マズい理由」を考えてみると、4つの要因が浮かんできた。

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