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「りんご」の鉄瓶が伝統工芸の世界にもたらす新風 大学やスタートアップと連携しAI活用も模索

東洋経済オンライン / 2024年6月14日 12時0分

タヤマスタジオでは職人として5人を採用。20~50代のうち3人は未経験者で、2人は新卒採用から育成してきた。

1人で全工程を担うことで、その鉄瓶への責任感を持つことにもつながり、ECサイトから寄せられるユーザーの声が職人の成長につながる効果も感じているという。

大学・スタートアップと連携しAI活用も模索

さらに、このあかいりんごの取り組みが多方面から注目されたことをきっかけに、岩手大学と製造業向けのAIサービスを手掛けるスタートアップと3者協働でのAI導入の実証実験がスタートした。

和康さんが鉄瓶を作る際の思考をAIで再現するという試みで、ベテラン職人がそれぞれの作業工程で、何を考えどのポイントを重視して作業するのかといった情報を言語化して構造化した。

「南部鉄器職人の育成はこれまでOJT頼みでしたが、AIを導入したことで若手職人が自主学習できる機会が生まれ、失敗の原因となる要素をあらかじめ取り除いたり、失敗によるロスを減らすことができる」と田山さんは言う。実証実験後、現場で活用していく予定だという。

今後は、全国の工芸の担い手たちと連携して「ともに工芸の価値をつくっていきたい」という田山さん。

「工芸の世界でチャレンジし続ける姿勢を示すことで、新しいマーケットを作り、工芸に新しい人材や投資の流れを呼び込んでいきたい」と先を見据えている。

【写真】盛岡市の南部鉄器職人、田山貴紘さんの工房や、人気商品の様子(9枚)

手塚 さや香:岩手在住ライター

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