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飼いネコの「胸のしこり」放置で起きていた"悲劇" 9割は予防可能、知っておきたい「ネコの乳がん」

東洋経済オンライン / 2024年6月16日 8時50分

ネコが甘えモードで機嫌がいいとき、もしくはリラックスしているとき、仰向けの姿勢をとってもらいます。無理な場合は横向きで寝ころんだ姿勢にします。ただし、嫌がるネコを無理に触ると大きなストレスになってしまいますから、無理のない程度にお願いします。

乳腺は、前足の付け根あたりから後ろ足の付け根のあたりまで、縦に2列に並んでいます。飼い主さんの手でマッサージするように優しくモミモミしながら、上から下に移動させていきましょう。

これを、左右に対して行ってください。ネコには乳頭が8つありますから、乳頭をしこりと間違えないように注意してください。

早期発見のためのマッサージのやり方

マッサージのやり方を具体的に紹介しましょう。

①仰向けになってもらう。無理な場合は横向きの姿勢でもかまいません。機嫌が悪かったらすぐにあきらめて、甘えモードのときにチャレンジしてみてください。

②前足の付け根から後ろ足の付け根まで、上からまんべんなくマッサージするように優しくモミモミしてください。順番は下から上でも問題ありません。見落としがないように、毎回同じ手順でやることが大切です。

③右側が終わったら、左側も同じようにマッサージをしてあげます。

がんでは必ずしこりができるというわけではありません。

はっきりとしたしこりではなく、少し硬いかな、という程度や、ひきつれやへこんでいるだけの場合や、赤く腫れぼったい程度のこともあります。少しでも違和感があったら要チェックです。

普段から定期的にチェックを行ってあげていれば、小さな変化にも気づきやすくなります。変化や異変に気づいたら、できるだけ早くに動物病院を受診してください。

もう1つは、なるべく早い時期に避妊手術を行うことです。

乳がんの発生はホルモンバランスの変化と関係しており、初回発情前のなるべく若いうちに避妊手術をしておくと、乳がんの発生が抑えられます。

生後1年以内の避妊手術で予防可能

海外の文献によると、生後6カ月以内に避妊手術をすれば実に91%、1年以内で86%も乳がんの発生率が低下するというデータがあります。一方で、13カ月齢以降では避妊手術をしても予防効果はほぼなくなってしまいます(Overleyら、2005. J Vet Intern Med. 19: 560–563.)。

避妊手術には、繁殖ができなくなる、太りやすくなる、手術による一時的な体へのダメージなどのデメリットがあります。それを「かわいそう」だと感じる方もいらっしゃるでしょう。

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