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「niko and ...」カフェ事業が人気急上昇の必然 苦節10年で黒字に転換 、平日でも活況に

東洋経済オンライン / 2024年6月18日 13時0分

そうして、人の生活に寄り添った、ニコアンドコーヒーがスタートする。

苦戦が続いた10年間

1号店は鹿児島に出店した。なぜ、鹿児島だったのか。

「いろいろな偶然が重なっているんです。うちのコーヒーは、すべてスペシャルティコーヒーを使っているのですが、そのコーヒーは鹿児島の近くにある福岡にあるハニー珈琲から仕入れています。さらに、ちょうど鹿児島に出店する店が、飲食も提供可能な設備を持つところでした」(増田氏)

最初は、コーヒースタンドの併設のみ(なお、その後、1号店には飲食スペースも生まれている)。小さなはじまりだった。

しかし、そこから、軌道に乗るまでの道のりは長かった。2013年に1号店をオープンしてから、長らくカフェ事業単体では、赤字が続いたのだ。そもそも、ニコアンドは、アパレル。飲食のノウハウは、ほぼないに等しかった。

「飲食に関するガイドラインなどもすべて自分たちで決めたので大変でした。また、出店もハードルが高い。飲食となると、給排水設備を整える必要がありますし、出店するにもアパレルの併設にするために、ある程度の広さがないといけないんです」(増田氏)

こうしたいくつかの制約から、当初は出店できる場所が限られていた。そうなると、知ってもらうのも難しい。

「ニコアンド自体は8割を超える認知度があるんですが、カフェの認知度はなかなか広まらなかったんです」(増田氏)

アパレルがカフェ事業に手を伸ばすことは、前例がないわけではない。しかし、このように、分野が違いすぎるだけに難しいことも多く、撤退する事例も多いのだという。

コロナ後のリバウンドの波に乗る

さらに追い討ちをかけたのは、コロナだった。コロナ禍を機に撤退するアパレル併設のカフェも増えていったが、ニコアンドコーヒーはそうしなかった。

「僕たちも当初はカフェだけでは採算が取れなかった。でも、ライフスタイル全体の中で食を提供したい、という思いが強かったんです。そこで、アパレルや雑貨で、カフェを続けていけるだけの利益を出して補填していました。最終的にはカフェ単体で収益を担保できるようにしたいと思い続けながら、です」(増田氏)

しかし、コロナが収束を見せ、街に人が増えるようになると、状況は変わっていった。

「光が差したのは、コロナが明けてから。これまでのストレスで、外で飲食をしたい、人と一緒にコーヒーや食事を楽しみたいというお客様が、すごく増えました。やっぱり、人とのふれあいを皆さんがすごく大事にしてるんだなと。そして、一気に売り上げを伸ばしました。お酒を飲まなくても、昼間から話したり楽しんだりする場所として、カフェはすごく大事なんだと思いましたね」(増田氏)

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