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「niko and ...」カフェ事業が人気急上昇の必然 苦節10年で黒字に転換 、平日でも活況に

東洋経済オンライン / 2024年6月18日 13時0分

ところで、このところ私(筆者)は、若い人の行動や、あるいは都市の様子を眺めながら、「せんだら需要」という言葉を提唱している。これは「1000円でだらだらできる場所に対する需要」のことで、せんべろを基に名付けた。

カフェ、サウナ、シーシャなどが流行しているのは、この表れなのだ……と、さまざまな記事で書いているわけだが、特に都心では、再開発や座れる場所の減少なども相まって、「せんだら」できる場所が減っており、もっとも手軽な「せんだら」消費ができる場所としてカフェが選ばれているのではないか、と指摘している。

だが、このような記事を書くなかで、想像以上に郊外や地方に住む人からの、共感の声が寄せられることに気づいた。それだけ、「せんだら」できる場所を求める雰囲気が増しているのだろう。

ニコアンドコーヒーがコロナ後、業績を伸ばしたのは、そういった時代のトレンドにうまく乗った、乗るまで我慢できたのもあったのだろう。

こうして、コロナ禍後の反動で売り上げを伸ばしたニコアンドコーヒー。もちろん、ただ耐えていたわけではない。特にここ数年は、さまざまな他社製品とのコラボレーションメニューも積極的だ。中でも人気となったのが、人気のお菓子「クッピーラムネ」とのコラボレーションメニュー。クッピーラムネが有名な、名古屋に出店する際に作ったオリジナルメニューである。

「これがインスタグラムなどで広く拡散されました。当初は1店舗限定だったのですが、なぜ他の店舗でも売ってくれないのか、という声が多くて。結果的に全国メニューとして再販したんです」(増田氏)

こうしたコラボレーションメニューの人気も後押しして、その知名度は徐々に上がっていった。

今後の課題は「カフェとしての認知度」

ゆっくり、じっくり店舗を増やし続け、各地域に根付く店舗を作ってきたニコアンドコーヒー。これから、どのような姿を目指していくのか。

「他のチェーンカフェだと長時間仕事や勉強をされる方が多いと思うのですが、大体のお客様は30分ぐらいのご利用が一つの目安かと思います。買い物の途中で、ちょっと疲れたから休むという利用が多いです。ただ、我々としては、より『カフェ』として認識されてほしいという気持ちもありますが」(増田氏)

「カフェ」としての存在感を高めていくこと。これが、喫緊の課題だと考える。その中でニコアンドが行うのは、他社製品とのコラボだ。先ほども触れた、クッピーラムネだけでなく、優れた他社のコンテンツを貪欲に取り入れている。例えば、ファミリーレストランチェーンのデニーズとのコラボも行う。

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