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「仮想通貨」への投資はNG、"中3でもわかる"根拠 「余裕資金でちょっと買う」くらいにすべき

東洋経済オンライン / 2024年6月18日 18時0分

ところが、それがそうでもないという話をちょっとだけしよう。

これは『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ著/誠信書房)という本に詳しく書いてあることなんだけど、人間というのはそんなに賢くなくて、ある条件がそろうと、なかば自動的に行動してしまうことがある。この本ではその条件のことを「心理トリガー」と呼んでいる。

親鳥がエサをとってきて、ヒナの鳴き声が聞こえたら、その鳴き声を発する主がぬいぐるみであろうが天敵であろうが、鳴き声が聞こえる対象にエサを与えてしまうという。それと大して変わらないことが、人間でも起こるということなんだ。

街中で募金活動をしているのを見たことはあるよね。困っている人たちを助けたりするためのお金を募金箱に入れるとお礼を言われて、羽やバッジなどの品がもらえることもある活動だ。ここからは、僕が誰かからか聞いた話になるんだけど。

募金で普通に「募金をお願いします!」と言われて素通りしてしまう人でも、募金活動する子供が先に、募金したらもらえる品を渡してきたら、無視しにくくなってしまうよね。こうして募金をする確率は飛躍的に高くなるし、平均的な募金金額も高くなる。

これは「返報性の法則」と呼ばれるものだ。相手から何かしてもらったら、こちらも同じようにお礼をしないといけないと思い込んでしまうことを指している。

とはいっても、もらえる品の材料費はせいぜい数円程度だったりで、そんなに高価ではないものが多いだろう。それなのに、人はついそのお礼として、材料費以上の募金をしてしまう。もちろん品をもらっても募金をしない人もいるが、品によって行動を変える人のほうが多いというのがポイントだ。

人は、誰かに何かしてもらったら、お返しをしないと落ち着かない。そういう心理トリガーがある。

詐欺師はきっと、君に何かものをくれたり、親切にしてくれたりするだろう。彼らは心理学を悪用するプロなので、心理トリガーなんて知り尽くしているからね。

モノの値段なんて「あってないような」もの

「アンカリング効果」というのもある。これは僕がインドでバナナを買ったときの話がわかりやすい。バナナの行商をしているかわいらしい子供が、僕に近寄ってきてこう言った。

「バナナを買わない? ひとふさで100ルピーなの」と。

当時100ルピーは日本円にすると約300円で、日本で買うより高い。そんなはずはないだろうと思って、僕はそれを半額の50ルピー(約150円)に値切って買った。インドでは価格交渉は当たり前だ。その子供はにっこり笑って商談成立だ。

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