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「仮想通貨」への投資はNG、"中3でもわかる"根拠 「余裕資金でちょっと買う」くらいにすべき

東洋経済オンライン / 2024年6月18日 18時0分

しかし後日、当時のインドではバナナは1ルピー(約3円)で買えるということを知った。天文学的にぼったくられた。

この話で伝えたいことはこうだ。もしその子供が最初、10 ルピーと言ってきていたら僕は5ルピーに値切ることはできたかもしれない。最初が5ルピーなら3ルピーくらいにはできたかもしれない。しかし最初の価格提示が100ルピーだったので、それを5ルピーとか3ルピーに値切ろうという発想が浮かばなかった。これがアンカリング効果だ。

人の意思決定というのは、最初に提示された条件に大きく影響されるということ。100ルピーがアンカー(錨、基準点)になるんだね。正しい価格なんて、実は誰もよくわかっていない。いい加減な話だと思わないか?

このように人間は正しい価格についてよくわかっていないし、もっと言えばものを買うかどうかの判断も、適当に感情で判断している。感情で決めて、あとから理屈で補っているんだ。

高級ブランド品を買う人の行動は、とても「よく考えて、論理的に判断している」なんて思えない。いつも行く焼肉屋さんで最後のロースを追加するかどうかの判断が、論理的だと思えるだろうか。

僕にはとてもそうは思えない。そのときには酔っ払っていることもあるけど、お酒を飲んでいなくても大差はない。人間はさほど、賢くないんだ。

「仮想通貨」は投資のメインにはなり得ない

「仮想通貨(暗号資産)」あるいは「ビットコイン」という言葉は聞いたことがあるだろう。ここ10年くらいで「億り人」と呼ばれる、億円単位で利益を出す人が何人も現れた。

もしかしたら知り合いから、投資しないかと誘われることもあるかもしれない。だが結論だけいえば、仮想通貨は正しい投資には必要ない。

仮想通貨とは何か? このことを説明するには、お金の成り立ちを知る必要がある。

そもそも、お金に価値があるのはなぜだろうか。1万円は、なぜ誰に対しても1万円の価値があるものとして使えるのだろう。よく考えたらあんなのはただの紙切れで、1枚印刷するのにかかるコストは20円くらいだといわれている。

20円で大量に印刷された紙切れが、1万円で取引されるのはなぜだろう。
昔、紙幣は、銀行に持っていけば金と交換することができた。でも今はそれもできない。みんなが1万円には1万円の価値があると信じ込んでいるから、なぜか使えるだけの「共同幻想」みたいなものだ。

まあ、より現実的には、日本政府や日本銀行がお金の価値を保証しているから、それをみんなが信用しているということで、もっと言うと税金を紙幣で支払わないと逮捕されるという国の「武力」によるとも考えられる。

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