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ミセスの大炎上を日本の会社員が「笑えない理由」 「炎上リスクに気づき、主張する」のは容易ではない

東洋経済オンライン / 2024年6月18日 21時55分

大炎上となったミセスの「コロンブス」MV。自身が所属する組織で炎上リスクが生じた際に、「気づき、指摘する」ことは実は簡単ではありません(写真:『Mrs. GREEN APPLE』公式YouTubeより引用)

記憶に新しい、Mrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)のMVの大炎上。「なぜ炎上すると思わなかったのか」といった指摘を経て、SNS上では「炎上リスクに気づいてても、言い出せない人もいたのでは?」という声も出ています。

「真相はわからないが、空気を読む国民性のわれわれには、決して笑えない出来事だ」と、コンサルタントとして、さまざまな企業の会議に参加してきた筆者は指摘します。

ミセス「コロンブス」が大炎上

人気バンドのミセス・グリーン・アップルのミュージックビデオの内容がいまだに炎上を続けている。新曲「コロンブス」のもので、コロンブス、ナポレオン、ベートベンに扮したメンバーが類人猿の家でホームパーティーを開くというものだ。その登場人物に加えて、文化を教えているシーンが描かれる。

【画像】類人猿に馬車を引かせ、ピアノを教える…。実際のMVの様子と、レコード会社による謝罪文(全9枚)

侵略者としても解釈できる人物が、文化を押し付けたと解釈できる内容だったので、批判が殺到し、このミュージックビデオは公開停止になった。タイアップのCMも放映が停止になっている。

メンバーの大森元貴さんはただちにコメントを発表。「この度は本当に申し訳ございませんでした。以後このようなことが無いよう、細心の注意を払い、表現することに対して誠実に、精進してまいりたいと存じます」としている。

【画像】類人猿に馬車を引かせ、ピアノを教える…。実際のMVの様子と、レコード会社による謝罪文(全9枚)

個人的にはスピーディーな対応で謝罪も公開停止もしているのだから、これ以上、何かを責めたり嘲笑してみたりする必要はないだろうと私は思う。

むしろ、個人を責めるよりも、「なぜ炎上してしまったのか」「なぜ燃える可能性のある動画が、多くの人が関与していながら公開されてしまったのか」を考え、われわれ自身の学びにすることが大事だと思う。

リスクマネジメントの難易度は格段に上がっている

ところで話が変わるようだが、以前、某企業から聞いた話がある。

企業には調達部門(仕入れ部門)と営業部門がある。その企業の調達部門が経済安全保障の観点から、A国製の部品や材料をできるだけ排するよう、仕入れ先にお願いした。すると、その某企業の営業部門はA国での活動に支障が出たという。具体的には、政府調達などで採用されなくなったのだ。調達部門の発言によって、同社の営業部門が影響を受けた……それまでなら、考えもしなかった事態だ。

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