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霜降り明星・粗品の毒舌に覚える「嫌悪感の正体」 アンチコメントが殺到している「3つの理由」

東洋経済オンライン / 2024年6月20日 15時30分

そんな対人関係にセンシティブな人が増える中、「気持ちよく見られないコントを押し付けられている」という感覚になってしまうのではないでしょうか。

たとえば、テレビ局が求めるコア層(13~49歳)の人気番組となった「千鳥の鬼レンチャン」(フジテレビ系)は、出演者のほとんどを千鳥やかまいたちが強烈にイジっていますが、「本人がそれを望んでいる様子が伝わり、安心して笑える」というニュアンスがあります。

もちろん話芸としての技術力も必要ですが、粗品さんの「1人賛否」からはそのようなニュアンスを感じづらくなっているのでしょう。

以前から粗品さんは毒舌やギャンブルの遊び方などから昭和の芸人を引き合いに出されることが何度かありました。横山やすしさんやビートたけしさんと比べられたこともありましたが、2人がそんな姿を見せていた1970・1980年代とは時代が大きく変わっています。

また、2人は世間の人々に茶目っ気や弱さを見せるなどのキャラクターが愛されていましたが、粗品さんにはそんな良い意味での“スキ”があまりないことも風当たりが強くなっている背景の1つでしょう。

世間の人々は粗品さんに「芸人としての笑いのセンスがあるかないか」を見ているのではなく、単に現状が「笑いづらい」というだけ。さらに「これを笑いと思っている芸人がいて、トップクラスの人気を得ていること」への違和感を覚えはじめているのかもしれません。

「人間として」の信頼を失う段階に

ここまで3つの理由をあげてきたように現在、粗品さんは「芸人として」というより、「人間として」の信頼を失っていく段階に突入しはじめている感があります。

実際、「弱者への攻撃」「後出しの言い訳」「笑いの押し付け」はタレントに限らず一般人でも信頼を失う行為であり、この状態が続けば回復が難しいところまで進みかねません。

そしてネットメディアは、「PVが得られる」という理由だけで粗品さんの発言を切り取るようなコタツ記事を量産すべきではないでしょう。これは営利活動というより「いじめを助長する」「さらなるいじめを生む」という行為に近いものがあり、加害者の一部にすら見えてしまいます。

15日夜、粗品さんは「新しいカギ」(フジテレビ系)で中学生たちと楽しそうに“学校かくれんぼ”をしていましたし、続く特番「爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル」でMCをそつなくこなしていました。「1人賛否」で見せる人を傷つけるような発言はなく、話術で笑いを取っていたのです。

世間の人々はこれまでそんな姿を見てきてトップクラスの実力があることをわかっているからこそ、「なぜ誰かを傷つけるのか」と嫌悪感を覚えてしまうのではないでしょうか。

ちなみに業界内では、粗品さんの礼儀正しい人柄を見てきた人も多く、「何であそこまでやるのかわからない」「さすがにやめたほうがいい」などと心配する声も聞きました。

粗品さんに関するニュースでは、今年1月の「競馬で勝った2400万円を能登半島地震の被災地・石川県に全額寄付した」という記事も記憶に新しいところ。「他人がなかなかできないことをやる」という行動スタンスは一貫しているだけに、簡単に「1人賛否」をやめるとは思えませんが、せめて多くの人々が安心して笑えるニュースをピックアップしてほしいものです。

木村 隆志:コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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