芸人を開花させる「脱力タイムズ」の凄い作られ方 制作陣が語る「誰も見たことがない笑い」の裏側
東洋経済オンライン / 2024年6月21日 15時50分
以前、番組の大ファンと公言する嵐の二宮和也氏が『脱力』のすごいところとして「この番組って、有田さんたちが考えられた特殊な設定を、視聴者の皆さんもしっかりと理解して見ている」【https://www.tvlife.jp/variety/322698】と語ったことがある。ではどうやって『脱力』の世界を視聴者に理解してもらうことに成功したのだろうか?
「面白いと言ってくれる業界の方、また『面白い番組だからゲストに出たい』と自ら言ってくれる俳優さんが何人もいらっしゃったのは大きかったです。芸人さんや俳優さんから『面白い』という声が広がっていって、それがSNSで拡散されて、実際に番組を見て反響が大きくなってきました。徐々に自分たちのやりたいことが内部から伝わって、番組の世界観が浸透していったのかなと思います」(ラリータ氏)
「徐々に認知されていったと思うんですけど、これは偶然としか言いようがないです。番組は生き物だと思っていて、企画書を作ったらその企画がそのまま受け入れられることはあまりなくて、やりながら『ここが面白かったね』というのを少しずつ広げていって、段々ヒット企画が生まれていくと思うんですよ」(寺田氏)
『脱力』は日本一視聴率を取るためにやっている
有田氏と同じくプレイヤーでありながら番組制作にも携わってきたとんねるずの石橋貴明氏はかつて視聴率の取り方について、興味深い発言を行っている。
「100人全員を笑わせるのは不可能だと思うんですよ。絶対、自分の感性で笑わせたいという気持ちもある。1人でも引っかかって笑ってくれたら嬉しいんですけど、冠番組だと、1%じゃダメなんですよね。最大公約数を取りにいかないと。テレビというメディアは視聴率を取らないと続いていかないので。自分のやりたい方向に何かを足さないと、ある程度の数字は出てこない」
【「とんねるずは死にました」―戦力外通告された石橋貴明58歳、「新しい遊び場」で生き返るまで/Yahoo! JAPAN・RED Chair】
自分たちが追求する笑いをマニア向けにとどめるのではなく、どうやってマスに届けようとしているのだろうか。
「こちらのほうが面白いと思うものをひたすら提供し続けること、でしょうか。滝沢カレンさんのコーナーが当たったり、番組の雰囲気が出てきたり、めったにテレビに出ない有名な俳優さんが『脱力』の世界観でふざけていたり、そうしたことの積み重ねが数字につながっていったのかなと思います」(カツオ氏)
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