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新しい産直?ハマグリの産地「Amazon」の正しさ 「AIの進化」は私たちや社会に何をもたらすのか

東洋経済オンライン / 2024年6月21日 20時0分

暦本:僕は、アマゾンは究極の3Dプリンターだと思っているんです。欲しいもののボタンを押すと、1日で「物質化」されるので。時間がもっと短縮化して、届くまで1時間になり、やがて10分になったら、完全に3Dプリンターですよ。

落合:ウーバーイーツは、ある意味で高性能のフードプリンターの代行サービスですね(笑)。一方、バーチャルレストラン※5の場合は、冷凍した料理をレンチンして届けているので、ある意味、電子レンジが3Dプリンターよりも優秀という話。アマゾンでも同じような仕組みがあれば、3Dプリンターとしての性能がさらに高まります。

暦本:配送車の中で調理すれば、物質化の効率を高められますよね。

※5 バーチャルレストラン 実店舗とは業態の異なるデリバリー専門の飲食店。たとえば夜は実店舗で居酒屋を営みつつ、昼はランチをデリバリーのみで販売するなど、飲食店の副業的な位置づけのことが多い。実店舗を持たずにデリバリー販売だけを行うものは「ゴーストレストラン」という。

何を「自然」と感じるかは距離の問題

落合:そうなると、アマゾンもまさに「自然」の一部として感じられるようになるかもしれません。「ちょっと庭でオリーブを採ってくるわ」みたいな感覚で、「ちょっとアマゾンでオリーブを」となるような気がします。

たとえば近所の魚屋さんにサンマを買いに行くお母さんの脳内では、魚屋はきっとすごく近い距離にあると思うんですよ。体を動かす距離と頭で考える距離は同じではない。

いまはアマゾンにあらゆるものがあるせいで、日常生活に変な距離感が現れるようになっているんですよね。それで従来とは違う民藝や料理だとかが生まれそうになっているけど、まだみんな食材をネット通販ではあまり買わないので、「自然」っぽさがちょっと足りない。

暦本:ウーバーイーツに材料を届けてもらえばいいんじゃない? それも、たったいま山から摘んできたような素材。産地直送ウーバーイーツ。

​落合:それは全然あり得ますね。注文から30分後に、産地でカットされたばかりの松阪牛とかが届く。

暦本:僕は水耕栽培に凝っていたことがあるんです。パクチーとかクレソンとかバジルとか、日当たりさえ良ければすごい勢いで育つんですよ。完全に一家庭の消費量を上回るぐらい採れるから、毎日のようにジェノベーゼをつくるような感じでした。

穀物は育てるのが大変なんだけど、ああいう葉物は繁殖力がすごい。光合成の威力に圧倒された。

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