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三軒茶屋が「若者の街」へとひっそり変貌した理由 全国へ波及する飲食トレンドがこの街から生まれる

東洋経済オンライン / 2024年6月21日 13時0分

さらに、茶沢通りに交差する太子堂商店街には2014年創業の「三茶呑場マルコ」がいる。三茶住みならその名前を聞いたことがある人も多いであろう、街を代表する人気酒場だ。「New MARCO(ニューマルコ)」「COMARU(コマル)」「食堂かど。」など、近隣で複数の系列店もドミナント展開し、ますます存在感を強めている。

理由②コロナ禍で都心を避けた人が集中、行きつけ化した

老舗だけでなく新鋭も入り交じり、年を追うごとに酒場の盛り上がりを見せていた三軒茶屋だが、コロナ禍で大きな変化が起こった。

周知のとおりコロナ禍ではリモートワークが進み、渋谷や新宿のようなビッグターミナルは一時ゴーストタウンと化した。

人々は1日の大半を自宅の近場で過ごすようになった結果、近辺に住む人々を中心に、三軒茶屋に人が流入。緊急事態宣言中の三軒茶屋の人出はすさまじく、昼は買い物などに出かける人であふれ、夜は夜で、平時よりは少ないものの飲み歩く人は相当数いた。自粛中と言えど「渋谷に行くのは罪悪感があるが、自宅近くならいいだろう」という心理も働いたのではないだろうか。

営業を自粛する店もある中で、営業を敢行する店も少なくはなかった。ところがそれ以上に人出があり、「緊急事態宣言中に、三軒茶屋でひとりで飲もうと店を探したものの、どこもいっぱいで、街中を歩き回ったものの入れなかった」という話を複数人から聞いたことがある。それくらい、当時の三茶は、「酒場難民」であふれていたのだ。

コロナ禍の影響が落ち着いてきてからは、三軒茶屋の酒場はさらに活況を呈している。飲み控えていた人たちが外出し始めたのに加え、コロナ禍で三軒茶屋にとどまった人たちはそれぞれ三軒茶屋で“行きつけ”を見つけ、もう渋谷や新宿に出向く必要がなくなってしまったようだ。

こうして三軒茶屋の酒場マーケットがさらに盛り上がり、多くの実力派酒場が参入している。コロナ禍を経て、三軒茶屋に業界的にも注目される繁盛店が次々と誕生した。

例えば、茶沢通りにオープンした「赤星」。同店は千歳烏山「酒場アカボシ」と渋谷「タートル」という人気店を作ったグループ。実績を重ねて満を持して三軒茶屋に殴り込みをかけたかたちだ。

飲食関係者はこぞって三軒茶屋に視察に訪れ、その店づくりを参考にしている。

名古屋に「三軒茶屋」が誕生…三茶が概念化?

三軒茶屋の酒場で見かけた料理やドリンクが、他のエリアでもインスパイヤされて提供されていることもしばしば。三軒茶屋の酒場で生まれたトレンドがそのまま全国的なトレンドとして広がっている。

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