1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「宮藤官九郎作品は不適切」と言う人に欠けた視点 「ホモソーシャル作家」という評価は正しくない

東洋経済オンライン / 2024年6月21日 15時0分

主題歌は嵐による『a Day in Our Life』。ほぼ全編RAP詞によるHIPHOP色の強い楽曲で、ドラマ同様の尖った姿勢の作品だ(画像:TVer作品ページより)

ドラマ『木更津キャッツアイ』がついに今日、TVer・U-NEXT等で配信される。

【写真】伝説の宮藤官九郎作品といえば【あなたの思い出の作品は?】

長らく配信が待ち望まれ、放送から20年以上経った今も根強い人気を誇るこの作品。同じ磯山晶プロデューサーと宮藤官九郎脚本のタッグによる『池袋ウエストゲートパーク』(TBS)もNetflixでの配信が解禁された際にランキング上位に入ったことから、『木更津キャッツアイ』も配信を経てより多くの人に見られることが予想される。

同タッグで制作した今年のヒット作『不適切にもほどがある!』(TBS)にも通じる、原点とも言える作品であり、相乗効果も期待される。

だが一方で、この作品が今、配信されることは「不適切」と論じられる危険性をはらむ。そのひとつが「宮藤官九郎作品はホモソーシャル的である」という批判だが、本当にそうなのだろうか。『木更津〜』をフックに本稿で考えていきたい。

(以下、敬称略)

意外と大ヒットではなかった

まずは、どんな作品だったかを簡単におさらいしておこう。

2002年1月から3月にかけて、TBS金曜夜22時の金曜ドラマ枠で放送された『木更津キャッツアイ』は、前述のタッグによるゴールデンプライム帯2作目の連続ドラマだ。

今も強く支持されていることから、大ヒットドラマのような印象を持つ人もいるかもしれないが、平均視聴率は10.1%で、当時の感覚としては決して大ヒットとは言えない数字だ。『池袋~』よりも4%ほど低く、放送時は不発に終わったと捉える人もいただろう。

【画像】宮藤官九郎が手がけた作品を見る(6枚)【あなたはどれが好きでしたか?】

だが、放送終了後に発売されたDVDが大ヒットし、再放送も話題を呼んだ。視聴率が高くなかったドラマのDVDがヒットするのは異例の現象で、その後、映画も2作品作られた。映画第1作の公開時には「奇跡の映画化!」と宣伝されていたほどだが、それも大げさではない表現だろう。

簡単に言えば、広くはないが、観る者の心に深く刺さったドラマが、時間をかけてその領域を広げていったと言える。

主人公のぶっさんを演じた岡田にとってはこれが、単独初主演となる連続ドラマで、2003年の映画版も初主演映画に。その後、多くの映画に主演し、俳優としての評価を高めていく。

『池袋~』に出た後の長瀬智也がそうだったように、『木更津~』に出た後の岡田も男性人気が高まり、当時のジャニーズアイドルとしては珍しく、男性ファッション誌の表紙を飾ることもあった。今年の3月にはX(旧Twitter)で『木更津~』に触れ「#代表作がある幸せ」とポストしている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください