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プロ野球オールスター戦が盛り上がらない必然 交流戦で他のリーグとの対戦はすでに実現

東洋経済オンライン / 2024年6月22日 13時30分

マイナビオールスターゲーム2024の投票箱を手にポーズを取るオリックスの中嶋聡監督(左端)と阪神の岡田彰布監督(右端)(写真:時事)

今年もNPBでは「オールスター戦ファン投票」が始まっている(締め切りは6月23日)。オールスター戦は「真夏の球宴」とも称され、日本プロ野球屈指の大イベントだ。

【写真】これまでのオールスター戦の様子

もともとオールスター戦はMLBが発祥だ。アメリカン、ナショナルの2リーグ制のMLBでは、ワールドシリーズを除いて、両リーグのチーム、選手の「真剣勝負」の機会はなかった。

1933年、アメリカの新聞社にある少年から「(アメリカン・リーグ、ヤンキースの大打者である)ベーブ・ルースさんと(ナショナル・リーグ、ジャイアンツの大エースの)カール・ハッベルさんの対決が見たい」という投書があり、これがきっかけでオールスターゲームが企画されたという。

今では、このエピソードはフィクションという見方が支配的だが、当時、同じニューヨークを本拠地としていたヤンキースとジャイアンツの選手が真剣勝負をしないことに対して、野球ファンが疑問を抱いたのは当然のことだろう。

かつては両リーグで「引き抜き合戦」があった

日本では1950年にプロ野球がセントラル、パシフィックの2リーグに分立した。

当然、1年目からMLBに倣ってオールスター戦が組まれるはずだったが、2リーグ分立に際して両リーグの球団がルール無用の「引き抜き合戦」をしたために、両リーグ間の対立感情が激しく、この年はオールスター戦は行われず、翌1951年からオールスター戦が行われるようになった。

このエピソードからもわかるように、両リーグの対抗心は極めて強かった。

1958年の長嶋茂雄の入団以来、巨人をはじめとするセントラル・リーグとパシフィック・リーグは、観客動員でも、テレビでの試合中継の頻度でも、大きな差がついた。

それだけにオールスター戦は、パ・リーグの選手にとっては、巨人などセ・リーグに対して実力を見せつけて、存在感をアピールする重要な機会になった。

「実力のパ、人気のセ」というアピール

オールスター戦が近づくと、南海ホークスの大捕手だった野村克也を中心に、パの主だった選手たちが「作戦会議」を開き、これをスポーツ紙などが報道した。

オールスター戦前夜には、スポーツ紙だけでなく一般紙のスポーツ欄でも「西鉄・三原脩、巨人・水原茂両監督の因縁の対決(三原脩は水原の巨人復帰によって巨人を退団し、西鉄監督になった)」とか「南海のエース杉浦忠と、巨人長嶋茂雄、王貞治の対戦はいかに」などと前景気を煽り、両軍のラインナップを予測して、その優劣を予想したものだ。

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