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二千円台で宿泊「カプセルホテル」安さ以外の魅力 おしゃれで清潔、睡眠解析も…いつの間にか超進化

東洋経済オンライン / 2024年6月24日 12時0分

『ナインアワーズ名古屋駅』のカプセルスペース(写真:ナインアワーズ提供)

各ビジネスホテルの代名詞的なサービス・設備を紹介し、その奥にある、経営哲学や歴史、ホスピタリティまでを紐解いていく連載「ビジネスホテル、言われてみればよく知らない話」。

第12・13回は前後編で、カプセルホテル『ナインアワーズ』の「安さ」以外の魅力を深掘り。その奥にある、ブランド理念や経営姿勢を紐解いていく。

円安の影響でインバウンドは増える一方だ。政府観光局によると、2024年4月の訪⽇外客数は304万2900人。前年同月⽐で56.1%増加している。喜ぶべきことかもしれないが利用者の増加に伴い、ホテルの宿泊料金も右肩上がりに。そんな中で、低料金で泊まれるカプセルホテルの需要が高まっている。

【画像】最安2000円台から宿泊可!おしゃれで清潔、睡眠データまで取ってくれる…カプセルホテル「ナインアワーズ」の様子(15枚)

なかでも好調なブランドがナインアワーズだ。都内を中心に13ホテルを展開し、稼働は9割以上をキープ。2024年5月度は、対2019年度実績で145%を記録した。なぜナインアワーズが選ばれるのか。1泊2000円台~という価格は大きいが、理由はそれだけではない。

世界が認めたデザイン性が欧米人を魅了

ナインアワーズの大きな特徴が、ユニークかつスタイリッシュな設計デザインだ。欧米のライフスタイル誌、デザイン誌などにもしばしば取り上げられており、2010年にはグッドデザイン賞金賞と、アジアデザインアワードの大賞・金賞・文化特別賞も受賞している。

【画像】最安2000円台から宿泊可!おしゃれで清潔、睡眠データまで取ってくれる…カプセルホテル「ナインアワーズ」の様子(15枚)

デザインのなかで最も象徴的なのは、FRP(繊維強化プラスチック)を採用したカプセルだ。角のない流線型で、どこか“近未来”を思わせるフォルム。大きさは一般的なカプセルの2割増しで、ゲストからは、「閉塞感がなく、繭のなかにいるような安心感がある」と好評を得ている。

一方、ホテルの間取りや内装は、柱や壁の色や素材に至るまで、各ホテルで異なる演出がなされている。360度を見渡せる最上階のラウンジに、木の温もりが感じられるカフェなど、付帯施設もまちまち。外観も、カプセルホテルでは珍しい一面ガラス張り、キューブを積み上げたような凸凹のあるビルなど、それぞれに独創的だ。

これらのクリエイティブデレクションは、プロダクトデザイナーである柴田文江氏が一手に担う。礎にしているのは同ホテルのコンセプト「1h(汗を洗い流す)+7h(眠る)+1h(身支度)」。カプセルホテルでメインとなる3つの行為を時間に置き換え、シンプルに可視化した概念だ。そこに時代のトレンドの要素を毎回取り入れ、気鋭の建築家とコラボレーションしている。

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