子どもの短所を直そうと必死な親がズレている訳 「生まれつきの資質」の存在を見誤っている
東洋経済オンライン / 2024年6月25日 12時0分
子育て中の親御さんの悩みで多いのが、「片づけができない」「マイペースで何をやっても遅い」「だらしがない」「忘れ物が多い」「やりたいことを優先してやるべきことが後回し」「字も含めてやることが雑」などです。
そして、それを子どものうちに直そうと思って奮闘しているけどなかなかうまくいかない、という例が非常に多いです。では、なぜなかなか直らないのでしょう? そして、どうすればいいのでしょう?
教師として23年間教壇に立ち、その後教育評論家として活動してきた筆者の得た結論をお伝えしたいと思います。
育て方やしつけではなく「生まれつきの資質」
なかなか直らない理由のひとつは、これらが生まれつきの資質によるものだからです。親の育て方やしつけが悪いからでも本人の努力が足りないからでもありません。その証拠に、同じように育てているきょうだいでも、一人は片づけが全然できないのにもう一人はすごく上手にできるという例がたくさんあります。
育て方やしつけで決まるなら、きょうだい全員できるようになるか、全員できないようになるかのどちらかのはずです。
同様に、マイペースで何をやっても遅い子がいるかと思えばテキパキ行動できる子もいます。これも育て方やしつけのせいではなく生まれつきです。前者が怠けているわけでも後者が特にがんばっているわけでもありません。人間には生来的な生きるリズムのようなものがそれぞれにあり、大人でものんびりな人とせっかちな人がいます。
同様に、きょうだいでだらしがない子もいればしっかりしている子もいます。忘れ物が多い子もいれば忘れ物をしない子もいます。遊びなど自分がやりたいことを先にやって宿題や翌日の支度などイヤなことは後回しにする子がいるかと思えば、やるべきことを先にやっておかないと落ち着かない子もいます。きょうだいでこれほど大きな違いがあるのは、生まれつきの資質によるものとしか考えられません。
なかなか直らない理由の2つめは、子どもには直そうというモチベーションがないからです。つまり、子どもは「絶対に直さなければならない」という自己改造への強い必要性を感じることができないのです。
かえって大人になってからのほうが、必要性を強く感じて直る可能性があります。大人が物の管理ができなくて大事な書類をなくしたり、時間にルーズで待ち合わせに遅れたり、やるべきことを後回しにして締め切りに遅れたりしていたらどうでしょうか?
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