リゲインもほぼ消滅「栄養ドリンク」衰退の背景 若者の心を掴んだエナドリとの"決定的な差"
東洋経済オンライン / 2024年6月26日 13時0分
インテージSRI+データによると、エナドリ市場はコロナ禍で2021年の対前年の伸びは鈍化したものの、マイナスに転じることなく近年伸び続け、2022年は前年比7.5%増の887億円を記録。2017年比では約1.7倍の伸びとなったという。
主な商品といえば、「レッドブル」と「モンスターエナジー」などの海外メーカーが挙げられるが、サントリーフーズの「ZONe」やコカ・コーラの「リアルゴールド XY」といった国内メーカーの商品も好調である。
ただ、ひっそりと撤退・終売した商品も少なくない。アメリカからやってきた「ロックスター」、ワシのマークの大正製薬による「RAIZIN」、コカ・コーラの「バーン」、そして今回の主題であるリゲインも「リゲイン エナジードリンク」を販売していたのだ。今やどれも見かけなくなった。熾烈な競争を繰り広げながら、市場としては拡大をし続けてきた、ということだ。
一方の栄養ドリンクはというと、縮小気味とはいえ、大正製薬の「リポビタンD」、佐藤製薬の「ユンケル黄帝液」、アリナミン製薬の「アリナミンV」などは健在で、テレビCMもたびたび放映されている。どのコンビニに入っても、入り口付近の棚に必ず陳列されているため、いくら縮小しているとはいえ、このままなくなってしまうとは思えない。
ところで、栄養ドリンクとエナドリの違いはご存じだろうか? 大まかにいえば「タウリンが含まれているか否か」である。
例えばリゲインをはじめとした栄養ドリンクにはタウリンが含まれており、薬事法において「医薬品」または「医薬部外品」に分類される。これは病気に対する治療や緩和、予防効果が期待されることを意味する。
このタウリンという成分はアミノ酸から合成され、ホメオスタシスと呼ばれる“細胞を正常な状態に戻す作用”を持つ、生物にとって非常に重要な物質である。特に肝機能に対して効果を発揮するといわれており、胆汁の分泌を促進したり、肝細胞の再生を促進するとされている。
このように栄養ドリンクは医薬品または医薬部外品のため、「滋養強壮」や「栄養補給」などと宣伝できるのだ。
一方のエナドリは食品衛生法のもと、「清涼飲料水」に分類される。要はコカ・コーラや三ツ矢サイダーのようなジュースと同じ扱いである。
エナドリには栄養ドリンクのように、タウリンは含まれていないため、間違っても医薬品などではない(ややこしいが、海外のエナドリにはタウリンが含まれていることもある)。
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