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リゲインもほぼ消滅「栄養ドリンク」衰退の背景 若者の心を掴んだエナドリとの"決定的な差"

東洋経済オンライン / 2024年6月26日 13時0分

そして、売れれば、当然陳列される数量も増える。次第にコンビニの清涼飲料コーナーの一角をレッドブルとモンスターエナジーが占めるようになり、そうするとこれまで栄養ドリンクにしか目がいかなかった者も、大量に陳列されているエナドリが気になるようになる。

成分の「効き方」は人によって違うが、飲み比べて「どっちがいいか」を選ばせると、エナドリに軍配が上がるのは必然である。というのも、栄養ドリンクは医薬品や医薬部外品のため、薬のような味がして、「おいしい」とはいえない。それが、エナドリは大枠だとジュースのため、甘くて炭酸もハジけて飲みやすい。

こうして、これまで疲労回復のために栄養ドリンクを飲んでいた者たちが、おいしいエナドリに流れるのは容易に想像できるだろう。

この若者向けマーケティングによって、エナドリは、栄養ドリンクの市場規模を縮小させたのだった。

後続のZONeはeスポーツ、VTuber、スマートフォンゲーム『ウマ娘』とコラボし、リアルゴールド XYは「YOSHIKIプロデュース」を前面に打ち出している。レッドブルやモンスターエナジー同様、若者に向けて商品をアピールしているのだ。

YOSHIKIが若者向けかといわれてしまえば、そこに疑問符はつくが、それでもアリナミンVはスーツを着こなした反町隆史、ユンケル黄帝液はとうとう50歳になったイチロー、久光製薬の「エスカップ」は出社前の向井理をCMに登場させているように、栄養ドリンクはエナドリに対抗して、「サラリーマン向け」と完全にすみ分けがされた状態になっている。

ただ、その代表格だったリポビタンDは、今月から妻夫木聡と木南晴夏をCMに起用し、「チオビタ」のような爽やか路線に変更している。筋骨隆々の男たちはもうそこにいない。

「飲み過ぎてしまうこと」に危険性も

人々の働き方は変わらず、ただそのお供は栄養ドリンクからエナドリに変わっただけ。両者は完全に別物ではあるものの、それはそれとしてタウリン、カフェイン、アルギニン……何が入っていようと、飲んで「アガる」のであれば正直、成分は関係ないのかもしれない。

ただし、すでに触れたがエナドリの特徴は「飲みやすさ」にある。苦くてマズい栄養ドリンクを毎日1リットル飲むのは不可能だが、甘くてスッキリ感のあるエナドリだとごくごくいける。ストロング系飲料そのものが危険性なのではなく、「飲み過ぎてしまうこと」に危険性があるのと、同じ構造なのだ。

……ということで、後編の記事「エナドリを「1日1リットル」飲んだ私に起きた異変 一気飲みで心臓バクバク…アル中が犯した危険」(6月27日公開)では、アルコール依存症だった時期に、同時並行でエナドリを「1日1リットル」飲んでいた筆者が、命の危険を感じた体験談を綴っていく。

後編で紹介する写真の一例

千駄木 雄大:編集者/ライター

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